オンラインによる
バリアフリー教養セミナー
一般社団法人視覚聴覚障害アドボカシー研究所はバリアフリー教養大学の開学を目指し、バリアフリー教養セミナーを開催いたします。
バリアフリー教養大学は2026年4月の開学をめざしております(早ければ2025年4月開学、と目標にしておりましたが、完全オンラインの大学の仕組みについての調整にもう少し時間がかかるため、2026年4月の開学をめざすことになりました。)お待ちかねの皆様や応援してくださる皆様のために、バリアフリー教養大学の教員予定者を始め、多様多才な講師によるセミナーを開催します。情報保障つきですので、どなたでも講師の方々に直接質問をすることができます。皆様お誘いあわせの上、是非ご参加ください。
オンラインによる「バリアフリー教養セミナー第6弾!」
情報保障付きですので、どなたでも質疑にご参加いただけます。
「社会的不公正を是正するのはマジョリティーの役目」
池田幸代先生(ナビゲーター 山下英三郎先生)
9月7日(土)19:00~20:30
学生時代から マジョリティーの日本人として、マイノリティーの人たちがどういう環境で生きてきたのかを知り、社会構造の問題として捉えて差別解消のために活動して来られた池田幸代さんの社会的および個人的な側面にわたる語りを通して、社会的不公正を是正する手がかりを探ります。
日雇い労働者・野宿者支援、施設内虐待、外国人差別とヘイトスピーチ等々、多岐に渡るお話をしていただきます。
【先生の紹介】
講師:池田幸代先生
駒ヶ根市市議会議員・社会福祉士・防災士(日本社会事業大学卒業)
ナビゲーター:山下英三郎先生
NPO法人コスモス村代表・日本社会事業大学名誉教授 バリアフリー教養大学理事予定者
お申し込みはこちら。追ってオンライン情報をお送りします。
https://forms.gle/egpGqrNL9prLQLxM9
受講は無料ですが是非ご寄付をお願いします。※クリックすると寄付ページへ飛びます
過去のセミナー
「『みんなが手話で話した島』のニューイングランド」
佐野正信先生・大西直樹先生(ナビゲーター 斉藤くるみ先生)
5月18日(土)
文化人類学者ノーラ・エレン・グロースの『みんなが手話で話した島』を翻訳した佐野正信先生と、この島(マーサスビニヤード島)のあるニューイングランドの歴史等を研究された英米文学・英米文化の専門家大西直樹先生との対談です。映画のロケ地になった美しい景色に思いを馳せながら、お聞きください。
(関連するご著書に『ニューイングランドの宗教と社会』(1997 彩流社)『ピルグリムファーザーズという神話-作られた「アメリカ建国」』(1998 講談)があります。)
【先生の紹介】※クリックするとプロフィールページへ飛びます
「リベラルアーツとは何か」
森壮也先生・佐々木あとみ先生(ナビゲーター 日比野清先生)
6月8日(土)
複合領域的で多様な問題が山積する2020年代の日本において、リベラルアーツ教育が注目されています。しかしもともとリベラルアーツは大学教育の源泉とも言えます。イエール大学のHPにはリベラルアーツこそが大学の使命だとあります。またケンブリッジ大学のHPにも、「西洋の現代社会はリベラルアーツと呼ばれる古代ギリシャローマ及び中世の教育システムの上に築かれた」と記されています。リベラルアーツに熱い思いを抱く先生方にリベラルアーツとは何かを議論していただきます。
【先生方の紹介】※クリックするとプロフィールページへ飛びます
日比野清先生
1948年東京都港区に生まれる、12 歳時に事故により失明。明治学院大学社会福祉学科卒業、大阪市立大学大学院前期博士課程修了。元社会福祉法人日本ライトハウス視覚障害リハビリテーションセンター所長、前常務理事。元佐野短期大学社会福祉学科教授。現在社会福祉法人日本ライトハウス理事、国立障害者リハビリテーションセンター学院等講師。主な著書に「わたしは盲導犬イエラ」(単著 ミネルヴァ書房)、「わが国の障害者福祉とヘレン・ケラー」(共著 教育出版)、「訪問介護員の職業倫理と適性」(共著 中央法規)、「臨床に必要な障害者福祉」(編著 弘文堂)、「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」(編著 弘文堂)等がある。
佐々木あとみ先生
1960年、名古屋で生れる。幼少時より片眼は視力がなく、一眼弱視だったが生活や勉強には困らず視力障害の意識は持っていなかった。高校時代を名古屋市内のインターナショナルスクールですごす。ICU(国際基督教大学)入学後失明し中退。2008年から約10年間、
十字架のイエス・ベネディクト修道会にて修道生活。現在は随時、必要な場面で視覚障害理解と視覚障害者への安全性が高く効率的な支援方法を人々に広め深めていただくよう努力している。
「ろう者の国際的連帯と日本の大学に望むこと」
那須映里先生・宮腰翼先生(ナビゲーター 木村晴美先生)
6月22日(土)
日本とデンマークをつないで、国際的な視野でろう者の未来を考えます。国際的な活動の経験をもつろう者が、海外のろう者との交流や、ろう文化、ろう教育などについて、ディスカッションをします。「ろう文化」になじみのない方、Frontrunnersという名前を初めて聞く方もどうぞご遠慮なくご参加ください。ご質問・ご意見大歓迎です。
【先生方の紹介】※クリックするとプロフィールページへ飛びます
那須映里先生
東京都出身、高校までろう学校に在籍。日本大学法学部を卒業後、株式会社ボーダレス・ジャパンを経てデンマークのFrontrunnersでリーダーシップや組織、表現について学ぶ。帰国後は手話エンターテイナー、役者、国際手話通訳、国際関係で活動する。舞台『うごく作品』出演。2022年フジテレビ『silent』出演。NHK 「みんなの手話」・「手話で楽しむみんなのテレビ」など各メディアにも出演中。
宮腰翔先生
長野県出身。高校までろう学校に在籍。現役大学生。現在は大学を休学して、デンマークのFrontrunnersにてリーダーシップや組織学、ろう者学など幅広い内容を学んでいる。
様々な世界を経験しながら、私がろうコミュニティにおいてできることは何かを模索している。
「わたしたちは動物たちとどう生きるか」
黒川京子先生・なかのまきこ先生(ナビゲーター 辻浩先生)
7月27日(土)
動物の保護活動をされている社会福祉士黒川京子先生と獣医師なかのまきこ先生に、それぞれの立場から、動物を取り巻くさまざまな問題を語り合っていただきます。お二人の暖かく、そして熱い活動を通して、すべての命を愛しむことの意味を考えてみましょう。おふたりの提供してくださった動物の写真が以下のホームページにあります。視覚障害者の受講者の皆様には写真を解説したものを事前に提供いたしますので、そちらも楽しんでください。セミナー当日は手話通訳・文字通訳もつきますので、どなたでもご遠慮なく質疑に参加してください。
【先生の紹介】※クリックするとプロフィールページへ飛びます
「試験と障壁」
大胡田誠先生・高山亨太先生(ナビゲーター 斉藤くるみ先生)
8月13日(火)
『全盲の僕が弁護士になった理由』の著者大胡田誠先生(大胡田法律事務所代表)と、アメリカのろう者の大学「ギャローデット大学」の准教授高山亨太先生(社会福祉士・精神保健福祉士)から、国家試験を突破してきたご経験や、試験の障壁について語っていただき、皆さまからのご意見・ご質問をもとにディスカッションをします。ナビゲーター斉藤くるみ先生も現在文科省科研研究で英検・TOEIC等、英語能力検定と視覚・聴覚障害の関係について研究しておられます。
国家試験、検定試験、入試や就職のための試験、現代社会には試験があふれています。試験は学ぶ目標にもなり、学ぶときの励みにもなります。一方、やりたいことのため、なりたいもののため、どうしても突破しなければならない試験もあります。受験者は競争を勝ち抜いたり、一定の基準を満たしたりしなければならないのですから、皆が公平に能力を発揮できなければなりませんし、公正に評価されなければなりませんが、さて!試験のバリアフリー化はどの程度なされているでしょうか。共に考えてみましょう。
【先生の紹介】※クリックするとプロフィールページへ飛びます。
セミナーではリアルタイム文字起こしを行います。
Zoom画面と文字起こしのCaptionlineの画面を表示してご視聴ください。
※ZoomとCaptionlineのリンクは申し込まれた方にメールでお送りします。
・パソコン画面の二画面設定
【windows】
zoomとCaptionlineを開き、左側に2分割表示したい対象ウィンドウを選び「Windows」キーと「←」キーを同時に押します。ウィンドウが左側のデスクトップ画面半分いっぱいに表示され、その他のウィンドウは右半分に縮小表示された状態となります。
次に、右側に表示させたい対象のウィンドウを選び「Windows」キーと「→」キーを同時に押すと、左右2分割の画面分割表示となります
(参考:こちらをクリック)
【Macbook】
Macで、ウインドウの左上隅にある緑色のボタンにポインタを移動して、表示されるメニューで「ウインドウを画面左側にタイル表示」または「ウインドウを画面右側にタイル表示」を選択します。
次に、画面のもう一方の側で、操作したい2つ目のアプリをクリックすることで左右2分割の画面分割表示となります。
(参考:こちらをクリック)
・パソコンとスマホを使う場合
パソコン画面でzoomを開き、スマホ画面でcaptionlineを開いてご視聴ください。
バリアフリー教養大学のホームページをご覧いただきありがとうございます。
サイトを離れる前に、アンケートにご協力ください。
アンケートはこちらから
https://forms.gle/SwRae9x1D1K8zS7d7
バリアフリー教養大学
Barrier-Free College of Liberal Arts
開設をめざして絶賛構想中
A Celebration of Humanity
リベラルアーツをすべての人に
リベラルアーツ(教養主義)の学びを一流の教授陣が提供します。リベラルアーツとは自由な知的探求により自己を解放する(liberate)する学びです。バリアフリー教養大学では幅広い分野から各自の興味で自由に履修科目を学ぶことができます。また分野横断的・学際的な科目を多く提供します。原則何年次でも自由に好きな科目を選んで履修することができます。リベラルアーツ教育の精神である「ダイバーシティ(多様性)」を重視し、LGBTQ・ろう文化・盲文化者・沖縄文化等を語れる、マイノリティ当事者の教員も教多くそろえています。
完全オンライン・完全情報保障
あらゆる人に学びの機会を保障する情報保障付き完全オンライン授業を提供します。見えない人も、聞こえない人も、ページがめくれない人も、、、様々な人がいるのが当然という前提で、教授法・教材を用意し、授業を提供します。通学が叶わない方も、オンラインだけで卒業できます。情報アクセシビリティ重視、デジタルデバイドの解消はバリアフリー教養大学の使命です。バリアフリー教養大学はインクルーシブ社会のモデルです。
ろう者の先生の日本手話による授業が33科目
ろう者にはその「文化的および言語的同一性の承認及び支持を受ける権利」(障害者の権利条約第30条)があります。それを守るためには、ろう者の学生がろう者の先生から日本手話で学べる環境が必要です。様々な分野のろう者の教員が33科目(各2単位)の日本手話による授業を提供します。それ以外にもろう者の先生の卒論指導(8単位)を受けることができますので、日本手話者の方は、卒業単位の半数以上を日本手話で履修することが可能です。日本手話動画によるレポート提出や卒業研究も認めます。(聴者の先生による科目には情報保障をつけます。)ろう者のみならず聴者で日本手話ができる人も「手話留学」のつもりで手話による授業を履修することができます。
当事者に学ぶリベラルアーツ~LGBTQ、沖縄文化等
LGBTQ、沖縄、被差別部落、コリアン、障害(ろう文化・盲文化等)、さまざまなマイノリティについて、当事者の先生から学ぶことができます。マイノリティは文字通り数が少ないですから、当事者の専門家から直接学ぶことは容易ではありません。バリアフリー教養大学には、マイノリティをテーマに研究している第一人者の先生が揃っています。多様性の魅力を味わいながら、様々な分野の学問を学びましょう。初めて出会う感動がたくさんあるはずです。
どんな生活環境にある人も、学び、働く社会へ
重度の障害者も働ける大学という「キャリアモデル」を社会に発信します。今やITの発達により、どんなに重い障害があっても、あるいは介護や看病をしながらでも、自己実現も、社会参加も、社会貢献も可能です。そのことをバリアフリー教養大学の環境から知ってください。障害を含めマイノリティ文化は多様で豊かな社会を創生します。教員・職員もマイノリティ当事者、シニア、海外在住のママさん先生等、多様な環境から、学生の皆さんを教え、サポートします。
生涯にわたる学び
あらゆる差別・偏見から自由なバリアフリー教養大学はエイジズムもはねのけます。シニアの先生たちも大活躍。教授の中には、大学教授として定年退職後、音楽大学で学んでいる先生もいます。英米文化を担当する教授の演奏をお楽しみください。
https://www.youtube.com/watch?v=EmojkLt30yE
定年退職後こそ、新たな学びで、新たな自分を見つけましょう。
やってみよう障害者支援
バリアフリー教養大学の教員たちが開発した「情報アクセシビリティ論」(文部科学省科学研究費助成事業による)を学び、また学内で情報保障のインターンシップを行うことで、「バリアフリー教養大学情報アクセシビリティプログラム修了証」が授与されます。また各自治体の盲ろう支援員の講習会でトレーニングを受けた人は「情報アクセシビリティ論」の成績に加味されます。情報アクセシビリティを学び、障害者支援のプロフェッショナルを目指しましょう。また障害のある人も積極的に障害支援を行ってください。障害者権利条約第24条3には「障害者相互による支援及び助言」が明記されています。障害のみならずマイノリティのピアサポートはそのコミュニティにとって必須です。
長期履修制度で安心の学び
重度障害・難病等の学生には長期履修制度があります。履修期間を延長した履修計画書を作成し、事前に提出することで、4年間の授業料での履修が可能になります。
多様な言語の学び~英語・日本手話・アメリカ手話・韓国語・中国語・帰国生のための日本語・ろう者のための日本語/英語
「ハリーポッターで学ぶ英語」では、英語の魅力と英国の文化を伝えます。日本手話・韓国語・中国語など、インクルーシブな日本社会を目指すために必要な言語も学べます。一方、日本以外の国で学校教育を受けた学生や家庭の言語が日本語ではない学生のために、長年帰国生に日本語を教えた教授が大学で必要な日本語(レポートの書き方等)を教えます。日本手話を母語とするろう者が日本語の読み書きを身につける授業や、ろう者のための手話による英語の授業もあります。様々なバックグラウンドの学生のために多様な語学の授業を提供します。
地球に優しい学び~デジタルライブラリー&古本ライブラリー
バリアフリー教養大学は図書館のデジタル化を推進します。視覚障害者やタブレットを使ってページをめくる人、拡大しないと字が読めない人のためにデジタル資料を入手しやすくし、また独自の資料や教員の書籍のデジタル化を行います。紙媒体の書籍は知的障害等のハンディキャップのある方々が活動するいちょう企画の古本プロジェクトと連携します。日本中どこからでもリクエスト・貸借・買い取りができます。
動物を愛する、自然を愛する、命を見つめる
野宿の人々とともに暮らす犬猫たちの無料診療を行う獣医師や、動物保護活動に携わってきたソーシャルワークの教員とともに、動物の福祉、そして命について考えましょう。また優生手術を強制された人々、戦争やジェノサイド等についても学べます。
【基礎科目(必修・選択必修)】
「英語(日本手話クラス・音声日英語クラス)」
「ブリティッシュイングリッシュ〜ビートルズからハリーポッターまで」
「日本手話」
「アメリカ手話」
「日本語アカデミックスキル(音声日本語クラス・日本手話クラス・点字クラス)」
「朝鮮語(韓国語)」
「中国語」
「クリティカル・シンキング」
「情報アクセシビリティ論」
「情報~オンラインスキル(音声日本語クラス・日本手話クラス・点字データクラス)」他
【自由選択科目】
「動物と人の関係を考える」
「ダイバーシティとしてのLGBTQ入門」
「沖縄の民俗・文化」
「アイヌ文化を知る、社会を変える」
「マイノリティによる社会運動~人種、階級、ジェンダーをめぐるインターセクショナルな運動」
「触文化とユニバーサル・ミュージアム」
「アメリカ・マイノリティ史」
「メディアインテリジェンス入門」
「アクセシビリティへの立体音響」
「イノベーションへの創出〜当事者視点をものづくりに」
「動物と人の関係を考える」
「進化学」
「生物多様性の尊重」
「人と動物との共生(福祉の視点から)」
「外国人を支援するソーシャルワーク」
「戦後日本社会・人種・マイノリティ ・ジェンダー」
「多様な人たちの支援を考える」
「心理学概論」
「発達心理学」
「臨床心理学概論」
「人間関係論」
「英米文化論I」
「英米文化論II」
「スクリーン・イングリッシュ(手話で学ぶ映画の英語)」
「会話の英語(手話で学ぶ会話表現)」
「日本文学:古典文学の受容と継承」
「バリアフリーエンターテインメント概論と実践」
「視覚障害者におけるエンターテインメントの基礎としての点字朗読」
「言語学入門(言語を中心に学問の広がりとその社会への影響を考える)」
「英語学入門(英語を通してマジョリティ・マイノリティを考える)」
「日本聾唖史(聾唖語彙史)」
「日本聾唖史(聾唖図像学)」
「手話歴史言語学(日本手話)」
「手話歴史言語学(語彙統計論)」
「手話言語学初級」
「手話言語学中級」
「手話言語学上級」
「ろう者のオンガク」
「舞踏」
「翻訳基礎I(日本手話―日本語)」
「翻訳基礎II(日本手話―日本語)」
「西洋音楽史」
「音楽理論」
「台湾文学:マイノリティと文学」
「比較文化論:他者理解のために」
「コミュニケーション技法:面接技術を活用した人間関係の築き方」
「マイノリティ研究と研究倫理(マイノリティを通して人類の知を考える)」
「社会を良くするためのソーシャル・アクションについて学ぶ」
「平和思想」
「障害と開発:社会経済的アプローチ初級」
「障害と開発:社会経済的アプローチ上級」
「社会調査」
「高度成長期のアジア社会運動:反公害・反開発・反資本」
「歴史学入門」
「日本近現代史」
「世界史(外国史)」
「グローバルヒストリー」
「法学I(憲法)」
「法学II(障害者に関する法律)」
「ろう者学総論」
「ろう文化ソーシャルワーク」
「障害学総論」
「障害児者心理」
「生涯学習論」
「教育福祉論」
「人権と福祉教育」
「インクルーシブ教育と障害」
「ピアサポートと障害」
「規範意識と日本社会」
「生物学入門」
「分子生物学」
「植物生理学」
基幹教員
斉藤 くるみ
マイノリティの人権問題やマイノリティに関連する研究をする際に特に重要になる研究倫理(一般的な研究倫理を含む)についての授業を担当します。また脳科学的アプローチによる視覚・聴覚等に惑わされない真の言語能力の解明と、その英語教育への応用に取り組んでいますので、その研究を活かした「言語学」「英語学」「英語」も担当します。
リベラルアーツの大学で学び、人は学ぶために生きる、という信念を持っています。病弱で「大検」により大学進学した私に「動かなくてもいい道に進めばいい。紙と鉛筆だけあればできる分野を選びなさい。」というアドバイスをくれた教務課長はその大学の先輩でもありました。大学の教員になって初めての授業でろう学生と出会ったのがきっかけで、ろう学生が「日本手話」でろう教師から学べる「手話による教養大学」(2010-2022)の設置や、「日本手話」の語学科目・入試科目への導入等に取り組んできました。ろう者だけでなく、様々なマイノリティがアイデンティティを活かして学べる場をつくり、ダイバーシティを尊重した研究を推進していくことこそがリベラルアーツを発展させると信じています。
【1990年国際基督教大学大学院卒、1988-1989、1993-1994年英国ケンブリッジ大学留学、教育学博士。著書(単著)に『少数言語としての手話』(2007東京大学出版会)、『視覚言語の世界』(2005彩流社)、 Nominal Modification in Old English Prose (1992 UMI Publisher, USA)等がある。】
苫米地 憲昭
専門は臨床心理学です。臨床心理士として精神科の病院で9年、大学で30年間学生相談や、臨床心理士養成の大学院で教育に携わってきました。現在は社会人を対象とした相談機関でカウンセラーをすると同時に、若い臨床心理士のスーパービジョン(指導)をしています。担当科目は発達心理学、臨床心理学概論、人間関係論です。
リベラルアーツ教育とは、「人間を巡る根源的問いに関わる教育であり、人間性が教育と学習の目的である」と若い頃に学んだことがあります。私は、臨床心理士養成の大学院生の指導では、①自己を尊重すること、②観察すること、③自分の頭で考えること、④興味・関心をもつこと、を念頭においてきました。これらのことは先達から受けた教育や自分自身の心理臨床の経験の中から抽出されたものですが、リベラルアーツ教育の理念と通底するものがあると考えています。学生指導に当たっては、一人ひとりの個と主体性を大切にしたいと考えています。
1972年国際基督教大学大学院修了、教育学修士。著書「私の学生相談―リベラルアーツ教育の中でー」(学生相談研究2003)、「教職員のための学生相談の基本―カウンセラーの視点から」(大学と学生2010)他。
大西 直樹
本務校だった国際基督教大学で、私はアメリカ文学、アメリカ研究を中心に40年ほど教えていましたが、学歴としてはICUの他に、アメリカのリベラルアーツ大学として代表的なアーマスト大学も卒業したので、二つのリベラルアーツの学部教育を体験をしました。その影響で、日本の大学教育では文学研究というと作家研究に落ち着き、特定の作家を研究し専門的に教えるということが一般的ですが、自分としては、作家研究をするにしても、その人物を取り巻く歴史的、社会的、宗教的背景を充分に理解することなく、文学作品の理解は成り立たないと信じています。そのため、学際的、あるいは比較文化的なアプローチが必須で、逆に言えば、講義としては一見脱線となることが多いのですが、脱線にこそ講義の妙味があると思っています。作家の文化的背景となると音楽や美術も含まれ、音楽家や画家と作家がどのように影響し刺激しあっていたかなども扱ってきました。たとえば、シェイクスピアの古典「ロミオとジュリエット」が、「ウェストサイドストーリー」や、バレーの舞台で演じられ、音楽ともなり、広い影響を広げていることを具体的に作品を取り上げて論ずる授業をしていますが、複眼的な視点を育て豊かで深い社会と人生のあり方を考える契機を提供できる授業を考えています。以前は大学院に進み専門家となっている学生を何人も育ててきましたが、研究者養成とは違ったアプローチを常に意識して講義したいと思います。
【1072年国際基督教大学教養学部卒、1981年同大学院卒 1990 Ph.D、単著に『ニューイングランドの宗教と社会』(1997 彩流社)『ピルグリムファーザーズという神話-作られた「アメリカ建国」』(1998 講談社、第2版2004)、『エミリ・ディキンスン-アメジストの記憶』(2017 彩流社)がある。】
末森 明夫
聾者や聴覚障害者の歴史を研究するときに、特に重要になる「日本聾唖史」、「手話歴史言語学(日本手話)」や「手話歴史言語学」についての授業を担当します。また、昨今の生命科学における知見を援用した進化学に基づいて、マイノリティの存在様態に関する包括的研究にも取り組んでおり、その研究を活かした「進化学」も担当します。
講師は分子生物学および深化分子工学に関する研究に従事してきました。そしてダイバーシティという概念を人類社会の営みにおける理念として掲げることを常々考えています。また講師は後期手話習得聴覚障害者として、日本手話を第一言語とする聾者の世界と、日本語を第一言語としつつ、日本手話をも日常生活における意思疎通手段として用いる後期手話習得聴覚障害者の世界を見つめてきました。そして聾者や聴覚障害者の世界における多様性とは何かを考え、聾者や聴覚障害者たちが自身の世界や外の世界おける多様性を実現していくためには、聾唖史や手話学の研究に取り組んできました。このような研究活動および教育活動が、マイノリティの存在意義を掲げたダイバーシティが実現された社会の構築に役立つものと考えています。
【1988年東京大学大学院(修士課程)修了。1996-1997年 Kings College London 留学(科学技術庁長期在外研究員)。農学博士。主要論文に「末森明夫(2020)「日本聾唖教育史の新たな地平と非近代主義:アクターネットワーク論と存在様態論による徳川時代の唖と仕形の再解釈」『社会学評論』」や「末森明夫(2020)「日本手話〈明日〉の系譜:時間譬喩・複合語短縮・語構成素反転の網状系譜への連関布置」『歴史言語学』」等がある。】
森 壮也
親は聴者ですが、兄弟全員が聞こえない先天性のろう者です。そのため「聞こえない」という平均的な聴こえる人たちと異なる私の属性を、家で兄弟と一緒にいる時間はほぼ意識することがありませんでした。むしろ、家庭外の例えば学校などでマジョリティとの違いを強く意識させられてきましたが、こうした二つの世界を小学生の頃から否応なく身近なものとして受け止めてきていました。それは「聞こえない」というアイデンティティに小学校中学年の最初の頃には早くも気づき、マイノリティとしての自分たち兄弟、また特別支援教育の世界を通じて出会った似たような人たちとの交流の中で、常に私の中で強く反芻され、人間を考える時に不可避のものとして培われてきました。授業の「障害と開発」では、ろうに止まらない障害者全般について、また先進諸国ではなく開発途上国という世界のより多くを占める国々にいる人たちの問題を議論します。また「手話言語学」の授業では、ろう者の言語である手話が一見、咽頭や聴覚を用いる音声言語というマジョリティの言語と異なるのに同じ言語であるのはどういうことなのかをとことんまで考えます。前者では、人間開発、後者では言語の本質と発展という共通項について考えます。どちらもマイノリティのインクルージョンのあり方、また世界のダイバーシティのあり方について大きく関与するリベラルアーツです。しかもま従来の学問のあり方についても厳しい反省を迫りながら、マイノリティの側から多様で包摂的な社会のために何が提案できるのかを学生たちと共に問うていける授業を作っていければと考えております。
【1987年早稲田大学大学院修了、1991-1993年米国ロチェスター大学大学院、2017-2018年米国カリフォルニア大学バークレー校客員研究員。著書に、森壮也•山形辰史著『障害と開発の実証分析―社会モデルの観点から (開発経済学の挑戦)』2013年、勁草書房(第17回国際開発大来賞)、Mori, S. & Sugimoto, A. Progress and Problems in the Campaign for Sign Language Recognition in Japan, in , De Meulder, Marryje, et. al. eds, The Legal Recognition of Sign Languages: Advocacy and Outcomes Around the World, 2019, Multilingual Matters.等がある】
雫境
1996年~2001年に日本ろう者劇団に在籍しました。役者だけでなく、大道具・小道具製作も手掛けました。また1997年舞踏家・鶴山欣也(舞踏工房 若衆・主宰)の誘いを受け舞踏を始め、国内のみならず欧米、南米を舞台に活動しました。舞踏と役者、美術製作などを横断し活動しました。日本ろう者劇団を退団し、舞踏に集中しました。2000年にユニット・グループ「雫」を旗揚げ、国内、イタリア、スペイン、ペルー、韓国、フランス、アメリカで公演、ワークショップを行っています。舞踏ワークショップの指導を通して、呼吸法、身体の動作の意識、動きの見せ方など独自に考慮して来たその蓄積を活かします。
また2016年に牧原依里さんと共同監督で製作した映画『LISTEN リッスン』からろう者の「オンガク」についても考察、探求をし続けています。それらをろう者たちに共有し、発展させていく場を作り、研究を推進させていくようにしたいと考えています。
【2000年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士号(美術)取得。2013年アニエス・トゥルブレ(アニエス・ベー)監督の映画『わたしの名前は...』に出演。2019年舞踏をベースにした身体表現を模索するためにユニットグループ「濃淡(NOUTAN)」結成。著作に編著「『LISTEN リッスン』の彼方に」(2023 論創社)、論文「音なるもの、一切破棄せよ 聾歌という表現の可能性」(2021 手話学研究30(3) P31-43)等がある。】
辻 浩
生涯学習と教育福祉の授業を担当します。生涯学習というと恵まれた環境にある人が楽しむものというイメージがありますが、国際的な潮流も、優れた実践者も、マイノリティに注目して理論と実践を展開しています。そのことにかかわって、差別や排除のある社会をインクルーシブな社会に変える教育福祉の授業も担当します。
大学・大学院で地域課題に取り組む生涯学習を学んだことから、高齢化がすすみ障害が複雑になる中で、高齢者と障害者の地域福祉をすすめる福祉教育のあり方を研究してきました。その一方で、所得格差が教育格差、文化格差、健康格差、意欲格差につながる実態が見えるようなる中で、生きづらさを抱える子ども・若者の教育福祉のあり方を研究してきました。困難をかかえた当事者を中心にして、どのように地域・自治体づくりをすすめることができるのかを考えています。
【1990年名古屋大学大学院博士課程満期退学(教育学修士)。名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授(2024年3月まで)。著書(単著)に『住民参加型福祉と生涯学習』(2003年、ミネルヴァ書房)、『現代教育福祉論』(2017年、ミネルヴァ書房)、『<共生と自治>の社会教育』(2022年、旬報社)等がある。】
木村 晴美
翻訳基礎Ⅰ・Ⅱ(日本手話‐書記日本語)を担当します。日本手話と日本語の言語構造の違いを知るために、対照言語学の要素も取り入れます。
手話通訳の養成が専門ですが、目標言語を目標言語で教えるという語学教授法のひとつ「ナチュラルアプローチ」も習得しています。
両親ろうのもとで生まれ育ちましたが、手話は日本語より劣ったものという認識を持っていました。20代の時に渡米した先で、日本語対応手話(日本語を手話の単語を使って表現したもの)と日本手話は異なり、日本手話こそがれっきとした自然言語であるという事実に気づきました。1995年に「ろう者とは、日本手話を話す言語的少数者である」とろう文化宣言を出しました。その宣言を自身のポリシーとして、聴者と共生する社会づくりをライフワークとしています。日本手話やろう文化が社会的に認知されるには、アカデミックな分野での人材育成も重要で、リベラルアーツの大学の使命であると信じています。
【NHK手話ニュースキャスター。1989年日本社会事業大学卒、2014年一橋大学大学院博士課程単位取得退学、社会学修士。著書に『手話通訳者になろう』(2019白水社)、『改訂新版 はじめての手話』(2014生活書院)、『日本手話とろう文化 ~ろう者はストレンジャー~』(2007生活書院)等がある。】
尾崎(渡邉)久美子
リベラルアーツ教育の基本となる、大学レベルの授業で活用できるコメントシートやブックレポートの書き方、発表の仕方をはじめ、レポートや論文の書き方を指導します。また、日本語を母語としない学生や日本語が母語であっても日本国外で教育を受けた学生、インターナショナルスクール出身の学生などに、その語学レベルに応じた指導を行い、日本語の文法・表現や正書法を指導します。
学生には、日本語として正確な表記・用語法はもとより、説得性のあるレポート・論文に仕上げるための客観的な論理展開の仕方について、実際に各自の興味・専門に基づいた題材を通して学んでもらいたいと考えています。リベラルアーツ教育では、狭い専門分野にとらわれないさまざまな角度からの学びが必要です。21世紀の地球市民として、グローバルな広い視野を持ち、相対的に物事を捉えて発信していく力を得てほしいと考えています。
【1984年国際基督教大学大学院修了、文学修士。国際基督教大学で帰国生・留学生を対象として日本語教育に長年携わる一方、日欧思想交渉史、特に近代日本におけるキリスト教の受容史を研究。日本語教育関係の著書に『日本語学習使い分け辞典』(1994、改訂版2001、講談社インターナショナル)、『タスクベースで学ぶ日本語 中級1-3』(2022-3、スリーエーネットワーク)など、キリスト教史関係の著書に『キリシタン史の新発見』(1996、雄山閣出版)、編集委員として参加した『日本キリスト教歴史人名事典』(2020、教文館)等がある。】
黒川 京子
私はソーシャルワーカー・社会福祉士で、医療ソーシャルワーカー(病院勤務)、国際協力NGO職員、路上生活者一時保護センター(東京都と特別区が共同設置)相談員という職歴があります。2023年度現在は大学にて福祉専門職の育成に携わり、ソーシャルワーク実習・実習指導、および関連の演習、そして「貧困に対する支援(公的扶助論)」の授業を受け持っています。また、ボランティアとして、動物(おもに犬猫)の保護活動に関わってきました。本学では、福祉を専門とする立場で「人と動物との共生」「外国人を支援するソーシャルワーク」について担当する予定です。
社会・世界には様々な人が生きていて、どんな環境に生まれ育っても、いかなる心身・生活状況であっても、誰もが等しくかけがえのない存在です。一人一人が大切にされる社会を一緒に築いていきたいと思います。そのように考えるとき、動物(生きもの、自然)たちが営んでいる生をも大事にすることは重要だと思います。いのちが軽視されない社会は、人にとっても生きやすいものに違いないと考えます。すべての人の福祉、動物の福祉、人と動物との共生について、学生の皆さんとともに深め続けていきたいと思います。
【1982年上智大学社会福祉学科卒業、2004年ルーテル学院大学大学院博士前期課程修了(社会福祉学修士)、著書(共著)「How to 生活保護・介護保険対応版」(2000年、現代書館)、「How to 生活保護・『自立生活』対応版」(2005年、現代書館)「介護 コミュニケーション技術」(2014年、メヂカルフレンド社)、「戦後日本の社会事業・社会福祉資料 内職・副業」(2021年、柏書房)、「戦後日本の社会事業・社会福祉資料 授産事業・授産施設」(2021年、柏書房)】
なかの まきこ
幼少時から、親が心配するほど、生きものたちの世界に没頭して過ごしてきました。19歳のときに、動物と人の共生を考える自由非組織「ひげとしっぽ」を立ち上げ、動物の調査・保護活動を行いつつ、25歳で大学の獣医学部に進学。動物実験という壁に向き合い、動物を殺さない方法(代替法)を模索し卒業、獣医師となりました。卒業後は、国内外の動物・環境保護NGO等に携わりながら、ホームレス状態にある人たちの保護する犬猫の無償診療などを行い、人間社会における差別や搾取問題についても現場で学んできました。地球で起きている様々な問題は、どこか根っこが繋がっているといると思っています。自らが生き延びることだけでなく、他生命(動植物、人)の存在を認め尊重する世界の実現に向けて、出来る限りのことをしていきたいと思い、今に至ります。
【1988年ひげとしっぽproject設立、2000年麻布大学獣医学部卒業・獣医師免許取得。離島の動物病院非常勤務、国際動物福祉基金日本事務所勤務、往診専門動物病院開設、現在は川口短期大学非常勤講師他。著書に「実験動物の解放」(1991・カタツムリ社)「野宿に生きる人と動物」(2010・駒草出版)他。「どうぶつたちの見上げる空は」(現代書館)が近日中に出版予定】。
柳澤 充
ソーシャルワーカーとして障害、高齢、医療、低所得等の分野に関わる一方で、社会福祉士や介護福祉士の各養成施設の教員として福祉専門職養成に携わってきました。また、ソーシャル・アクション(社会を良くするための活動=社会活動)として、不合理な理由により障害年金を受給出来ない方達(無年金障害者といいます)の権利獲得の運動にも参加していました。現在は、ソーシャルワークや成年後見受任等の事業を担う合同会社の代表を務めており、事業の一つである喫茶店では店主として地域の方々に珈琲を提供しながら交流しています。
本学においては「コミュニケーション技術・面接技術を活用した人間関係の築き方」(半期)及び「社会を良くするためのソーシャル・アクションについて学ぶ」(通年)を担当します。一方通行の講義ではなく、できるだけ受講生の皆さんが主体的に学びに参加できるように工夫いたします。
【社会人を経て2004年3月日本社会事業学校研究科卒業、2007年3月東洋大学大学院修士課程社会学研究科福祉社会システム専攻修了(社会学修士)/著書(共著)に東京・無年金障害者をなくす会編集・発行『無年金障害者実態調査報告書』(2007)執筆責任者/日本社会事業大学実習教育研究・研修センター編『ソーシャルワーク実践へのいざないⅡ-実践を深める相談援助演習-』「第Ⅱ部第6章」(日本医療企画)(2012.2)/キャリアカレッジジャパン教材『介護福祉士』「第2章人間関係とコミュニケーション」「第5章 コミュニケーションの基本」(株式会社物語社)(2022.9)がある。】
川満 彰
私たちに命をつなげてくれた人々は、どこで生まれどのように暮らし育まれてきたのでしょうか。そして私たちのアイデンティティはどのようにして創られてきたのでしょう。本大学では沖縄の民俗文化と、かつ、そのすべてを破壊した沖縄戦研究を柱とした平和思想を担当します。
誰しも人は出自に興味を持っていることでしょう。特に沖縄人は、日本本土と違い異なる民俗・文化を持ち、歩んできました。その歴史を振り返ると、沖縄は大国に翻弄され民俗文化を失い、戦争で家族を失いながらも自らの意思と権利を尊重し、全てではないですが実現してきた歩みが見えます。
現在、私は沖縄国際大学総合文化学部社会文化学科で平和思想を担当しています。学生には、沖縄の民俗と文化及び沖縄戦の実相を通して、真の平和とは何かを探求する場として提供しています。平和思想は単なる学問ではなく、ひとりの人間としての営み・暮らしを探求し、国民の権利として社会に貢献することを目的としています。
本大学では、学びたくても学べなかった学生、生きづらさを抱えた学生等々が集ることでしょう。学生のみなさんに、一人ひとりが活躍できる社会を共に創りあげることを目標に、授業を行いたいと考えています。
すでに日本はグローバル社会が成立し、その人材はあらゆる人々に求められる時代となりました。多彩で多様な人々が、それぞれの能力・適性を活かし、尊重し合いながら生きる力を身に付けて欲しいと願っています。本大学では全ての人々に学舎は開かれています。それに適う学びを提供できると確信します。
【1960年生まれ。2007年沖縄大学大学院 現代沖縄研究科沖縄・東アジア地域研究専攻修士。著書に『陸軍中野学校と沖縄戦』(2018年)、『沖縄戦の子どもたち』(2021年)。編著『戦争孤児たちの戦後史1 総論編』(2021年)、『太平洋戦争と子どもたち』(2022年)など(いずれも吉川弘文館)等がある。】
大胡田 誠
私は、今年弁護士になって12年目を迎えました。弁護士経験の最初の6年間は、弁護士会が設立した公設事務所に勤務し、障害や難病を抱えた方、貧困の為に弁護士を雇えない方、これまで他の法律事務所で断られ続けた方など、さまざまな困難に直面している方たちの痛みに共感し、その様な方たちが一歩を踏み出すお手伝いをする経験を重ねました。また、次の6年間では、私と同じく全盲の障害を持ちながら日本で初めて弁護士になった竹下義樹先生のもと、企業法務や医療過誤、複雑な相続案件など、困難な事件を処理するスキルと決して諦めない強い心を学びました。2019年に独立し、現在大胡田法律事務所の代表を務めています。
憲法や法律などルールと実際の社会で生起する様々な問題の架け橋になるような授業を行いたいと思っています。
【1977年 静岡県生まれ。先天性緑内障により12歳で失明する。慶應義塾大学法学部法律学科卒業、同大大学院法務研究科修了。2006年司法試験に合格。日弁連 障がいのある人に対する差別を禁止する法律に関する特別部会 委員(2009年-)、東京都 障害を理由とする差別解消のための調整委員会 委員(2018年-)。著書に『今日からできる障害者雇用』(弘文堂 2016年)、『全盲の僕が弁護士になった理由(ワケ)―あきらめない心の鍛え方』(日経BP 2012年)※2014年、松坂桃李主演でドラマ化等。】
高山 亨太
ろう者当事者の研究者として、精神保健の専門家としてこの道を歩んで約20年になります。ですが、まだまだわからないことがたくさんあるからこそ、年齢を問わずに、学問に触れることの楽しさを毎日実感しています。日本の聴覚障害者情報提供施設や聾学校などで、ろう・難聴者の精神保健に関わったのち、米国にあるろう・難聴者のリベラルアーツ系総合大学として知られているギャローデット大学大学院ソーシャルワーク研究科にて、准教授や研究科長として約10年ほど奉職してきました。その経験をもとに、ろう者学や文化言語的マイノリティと言われるろう・難聴者の精神保健や心理社会支援に関連する講座を担当します。
【2007年筑波大学大学院修了、2009年ギャローデット大学大学院修了、2019年日本社会事業大学大学院博士課程修了。博士(社会福祉学)。障害学会元理事、日本聴覚障害ソーシャルワーカー協会元理事。精神保健福祉士・社会福祉士。著書に『ろう者学とソーシャルワーク教育』(2022年、生活書院)、共著に『手話による教養大学の挑戦:ろう者が教え、ろう者が学ぶ』(斉藤くるみ編著、2017年、ミネルヴァ書房)等がある。】
美月めぐみ
「バリアフリー演劇結社ばっかりばっかり」所属の全盲の舞台役者・脚本・演出家の美月めぐみです。「だれにでも楽しめるエンターテインメント」を目指して活動できる役者やスタッフを育成する授業を担当します。先天性の視覚障害者ならではの創意工夫を伝授します!
子供の頃、見えないことによってもやもやとした違和感を抱えていましたが、年齢を重ねてその想いを言語化できるようになってみると、様々な“工夫”により少しずつ取り除いていける違和感だったことに気づきました。
舞台や映画、音楽などのエンターテインメントは、障害の有無を超えて「共通言語」ともなり得るツールです。様々な障害を理解し合いながら、「共通言語」たり得るエンターテインメントを構築していけば、楽しさを共有するだけでなく、心の垣根も超えていけるはず。 そう信じて、私は、“だれにでも楽しめるエンターテインメント”を追及することをライフワークとしています。 具体的には、視覚障害学生を中心とした演劇に関する授業と、一般学生をターゲットとする「音声ガイド」(主に視覚障害者に対して、視覚情報を言語化して伝えるナレーション)に関する授業を二本柱として、双方から得られる「コミュニケーション力」の強化や、物事を読み解く力の強化も目指したいと思っています。
30年近くかけて培ってきた福祉講座の講師としてのノウハウ、朗読ワークショップの講師としてのノウハウ、そして元落研メンバーとしての経験を存分に生かして、「楽しみにしてもらえる授業」を心がけていきたいと思います!
【1985年筑波大学附属盲学校高等部専攻科音楽科卒。演出・脚色・作詞・作曲作品にCDドラマ『クリスマス・プレゼント』(2018)、舞台作品(出演・脚本補)に『だからこそ愛』(2007・2012)、著書(共著)に『ヨメール物語---視覚障害者の読書革命』(1999 情報バリアフリー叢書)等がある。】
森 亜美
ろう難聴学生対象の英語を担当します。聞こえない人にとって英語を音声言語として学ぶというのはなかなか困難です。マジョリティである聴者の指導方法、つまり音声で指導するという方法でなく、マイノリティである当事者が、同じ当事者の言語で教わることでその負担が軽減されます。
英文読解が中心となりますが、文法についても理解してもらうよう努めます。また、日本語、英語のニュアンスについて皆で考えることで言葉の面白さを追求していきたいと考えています。高校までは教科書通りに学んでこられたと思いますが、「難聴」「補聴器」「手話」「人工内耳」「ろう学校」などなどろう難聴者にとって身近な言葉を英語にするとなると、はて、なんだっけ?と首をかじける人が多いです。ここではマイノリティ、ろう難聴、手話、などをテーマとした英文記事などを扱い、身近な問題を英語で読み考え、さらにそれをまとめあげる、ということを目標としたいと思います。
また、英語を学ぶことで視野もグローバルになり、その背景であるアメリカなどの歴史や文化を知ることも可能になります。これもリベラルアーツとして皆さんが身につけるべきものと私は考えています。
【1987年早稲田大学第一文学部史学科西洋史学専修卒、森壮也との共訳として、C. Padden & Tom Humphries, Deaf in America – Voices from a Culture, Harvard University Press, 1990の『新版「ろう文化」案内』(2016明石書店)、C. Padden & Tom Humphries, Inside Deaf Culture, Harvard University Press, 2005の『「ろう文化」の内側から−アメリカろう者の社会史』(2009明石書店)がある。その他にも論文等の翻訳、監訳多数。】
北川 美由紀
生物学、植物学の授業を担当します。植物分子生物学が専門であり、植物の花の咲くメカニズムやモモの花の色、果実の色、花粉の稔性に関わる研究をこれまでに行ってきました。
2022年からアメリカに同行することとなり、日本人が少ない地域で生活をすることは、自分がある種のマイノリティの存在となる機会を与えてくれました。英語が決して流暢ではないことや、初めての子育てを異国ですることに多くの苦労はありました。しかしながら、文化も言葉も異なる方々と触れ合うことで、程度は異なるもののマイノリティの人々が多く存在すること、その多様性を理解し合うことが如何に大切であるかを、身をもって感じました。今後、自分自身がより良く生きる為、私ができることは何かを考えていた折に、自分の専門を軸にしながら、様々なマイノリティの方達が学べる大学で授業を持つこととなりました。自分の経験を活かして、より良い社会を作るため、多様性のある環境に適応して行けるような人を育てる授業を行いたいと考えています。
【2014年筑波大学大学院卒、理学博士。著書、Development of simple PCR-based DNA marker for the red-fleshed trait of a blood peach ‘Tenshin-suimitsuto’(2020 Mol Breeding)などがある。】
斉藤 みか
大学での学びの基礎となるアカデミックライティング、クリティカルシンキングに関する授業を担当します。また、日本文学が専門であるため、日本古典文学の受容と継承に着目した文学の授業も担当します。
大学院生のときに聴覚障害をもつ高校生の学習塾運営に携わり、2013年にNPO法人ろう・難聴中高生の学習支援の会を立ち上げ代表になりました。現在もNPO法人として助成金をもらいながら、ろう・難聴の中高生を対象とした学習塾を運営しています。大学ではアカデミックライティング、日本文学の授業の他に、国際基督教大学(2022年3月まで)・明治学院大学(2022年3月まで)・上智大学(現在に至る)でライティング支援業務を担当してきました。書くことが得意な学生はもちろん、発達障害・学習障害など、書くことに難しさを感じる学生たちにも、対話を通して、書く力を伸ばすサポートをしてきました。NPO法人の活動と、ライティング支援業務の経験から、大学教育はそれぞれに合った学びの機会を提供することが重要だと考えています。
【2018年国際基督教大学大学院卒、学術博士。著書(単著)に『『竹取物語』から「かぐや姫」へ――物語の誕生と継承』(2020東京堂出版)、論文(単著)に「戦時下の軍国主義教育における『竹取物語』の教材化とその影響」(2022『アジア文化研究』 48号、国際基督教大学アジア文化研究所、pp.75-94)、”From The Tale of the Bamboo Cutter to Princess Kaguya: Metamorphoses of the Tale in Manga and Beyond”(2021 Japanese Language and Literature 55(1),pp.181-213)等がある。】
郷戸 夏子
近現代日本における宗教や日米関係の歴史について授業を担当します。また江戸時代以降の日本の歴史をアジアや欧米との関わりから考える世界史の授業も担当する予定です。日本史と世界史を対比させながら、現在の自分の社会を改めて考えるきっかけとなるような授業になればいいと考えております。
近代日本の歴史を見てみると、その発展の背景には、マイノリティや貧困の人々、障がい者など、様々な人々の犠牲の上に成立してきたことがわかります。そしてその状況は現在に至るまで連続するものです。このような現在の問題に対し批判的な視点を持ち、過去から現在を照らすことで異なる視点を獲得することが可能となります。一つの意見ではなく様々な意見から物事を考えることで、より豊かな社会の形成に寄与できると考えております。
【2020年国際基督教大学アーツサイエンス研究科博士後期課程修了、博士(学術)。2022-2024年米国パデュー大学で博士研究員。論文として「フレンド派宣教師エスター・B・ローズの救援活動─第二次世界大戦後の日本での活動を中心に」『キリスト教史学』(75号、2021年)、Diary of Esther B. Rhoads『アジア文化研究所』(47号、2021年)などがある。】
薬師 美芳
私はトランスジェンダーとADHDのダブルマイノリティです。幼い頃は多様な性について正しい情報を得る機会がなく、高校時代には列車に飛び込もうとするほど思い詰めました。トランスジェンダーであることを初めて打ち明けた友人が、そのままでいいと受け入れてくれたことで救われました。2009年、大学在学中にNPO法人「ReBit(リビット)」という学生団体を立ち上げました。
「子どもは産めるのか」と就職活動で聞かれ、就職先でも先輩から「性別はどちらなの?」と笑いのネタにされることもありました。誤字脱字がないようにメールや書類を作成することも苦手でした。細かいことに注意を払うことが苦手なADHDの特性だったのですが、「やる気がないからミスをする」「頑張らないと、今後、性的少数者は採用できない」と言われたことも重なって、自律神経失調症になって退職しました。
昨年(2022年)精神障害や発達障害があるLGBTQ(性的少数者)らの就職を支援する就労移行支援事業所「ダイバーシティキャリアセンター」を、東京都渋谷区に開設しました。性的少数者に対する無理解から福祉サービスの利用に不安を抱えたり、ハラスメントを受けたりした人たちが、安心して支援を受けられるサービスを目指しています。
【早稲田大学大学院卒。20歳でReBitを設立。行政・学校・企業等でLGBTやダイバーシティに関する研修、LGBTなどのマイノリティへのキャリア支援等を行う。青少年版国民栄誉賞と言われる「人間力大賞」受賞、ダボス会議が選ぶ世界の若手リーダー、グローバル・シェーパーズ・コミュニティ選出、オバマ財団が選ぶアジア・パシフィックのリーダー選出。共著に「LGBTってなんだろう?」「トランスジェンダーと職場環境ハンドブック」等がある】。
近藤 真暉
企業でメディア認識・理解技術の研究開発に取り組んできた経験と、聴覚障害者の当事者としてアクセシビリティ技術を活用した経験を活かし、手話認識技術や音声認識技術などを用いたAIアクセシビリティ技術の講義を行います。メディア認識・理解技術の活用は、手書き文字生成技術による筆記代替技術や、画像情報のテキスト変換技術による周辺情報把握技術などの応用が期待されます。理論や知識に加え、具体的な応用を意識したAIアクセシビリティ技術の研究開発・指導も行います。
「ドラえもんを作りたい」という目標を掲げています。耳が聞こえないことから、音声による授業に頼らず、ドラえもんの学習漫画で学んだことが影響しています。この想いは今も変わらず、人間のパートナーとなるロボットの実現を目指してメディア認識・理解技術の研究開発に取り組んでいます。聴覚障害者をはじめとする多様なマイノリティを通じて、工学的観点からコミュニケーション理解の研究開発を進めることで、ドラえもんのような存在を実現し、多くの人々の生活を豊かにすることができると考えています。
【2015年筑波技術大学大学院修了、同年東芝デジタルソリューションズ株式会社入社、2021年株式会社ARISE analytics入社、研究開発部門マネージャー。2020年-2023年日本社会事業大学 非常勤講師。受賞歴に2013年電子情報通信学会 HCGシンポジウム 優秀インタラクティブセッション発表賞等がある。】
黄 耀進
第2外国語の中国語を担当します。台湾出身のため、中国大陸の簡体字、台湾の繁体字とも教えられ、福建省南部の方言にも対応できます。中国語というのは、標準語(いわゆる普通話)以外、いろいろな地域でさまざまな方言を混ぜて使われています。標準語の勉強以外にも、このような多言語的な事情を理解、勉強できれば、言語社会論を通して世界中の「中華系言語」が概観でき、もっと広くておもしろい「中華観」が出来上がるかもしれません。それを目標として、一緒に勉強していきたいと思います。中国語の講師を担当しながら日中翻訳・通訳もしていますので、授業中そのおもしろさとむずかしさという経験も共有していきたいです。
【2014年一橋大学大学院言語社会研究科博士課程単位取得退学、台湾政治大学テレビ放送学科修士。現在は早稲田大学、相模女子大学の中国語非常勤講師。訳書に『岩波新書.中國的歷史3 草原的稱霸』台北聯經出版、2021年(古松崇志『草原の制覇 大モンゴルまで』、岩波書店)、『惡魔噬食的靈魂:北九州連續監禁虐殺事件』2021年、台北凌宇出版(豊田正義『消された一家 北九州・連続監禁殺人事件』、新潮社)、『軌道:福知山線出軌事故,改變JR西日本的奮鬥』台北游擊文化、2020年(松本創『軌道:福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』、東洋経済新報社)など。】
パーク クリス
私は、戦後東アジアの「経済開発」がもたらした影響を人権や環境、ジェンダーなどの観点から研究し、影響を受けた側の反対運動の研究も行うことで、多角的な分析をおこなっています。特に「日本社会運動史」、「戦後高度成長:アジアの人権・ジェンダー・環境問題」などトランスナショナル社会運動の歴史を担当しています。
アジアと日本社会をつなぐ「社会運動」から歴史を学ぶ目的は、一つの観点ではなく、さまざまな角度から検討することで身につけられる多文化の利点があると考えるからです。
私自身、1990年代初めにアメリカへの移民家族として過ごした経験は、さまざまな人種や民族、宗教と共存する方法の重要な経験と知識となりました。このような経験は、マイノリティと多数派の間で生じる葛藤や誤解を解決する一つの方法にもなります。
そのため授業では、社会のマイノリティと多様なグループに対する差別が起きる原因と法則を学生たちとの対話を通して明らかにし、批判的視点から問題の解決を検討したいと考えています。
【2017年オーストラリア国立大学大学院アジアーパシフィック研究科博士後期課程 満期退学。著書(共著)に『日本社会運動と1968年』(2023以文社)等がある。】
講師一覧(非常勤)
兼子 歩
私はアメリカ合衆国の歴史、特にジェンダー・セクシュアリティ・人種をめぐる問題を専門としており、近年では第二次世界大戦直後の同性愛者による権利運動の歴史研究を進めています。授業ではアフリカ系アメリカ人やLGBTQ+などマイノリティ集団の経験を軸にしてアメリカの歴史と現在を講じます。
歴史学は単に過去について知るだけでなく、過去を知ることを通じて現在を相対化する視点を養う学問です。マイノリティへの差別や抑圧や周縁化、そしてそれらを生み出してきた人種・民族・ジェンダー・性的指向・性自認・年齢・障がいといった人間分類の仕方それ自体にも、歴史があります。私たちが自明視する認識や価値観が歴史のある時点で創り出されてきた過程を知ることは、現在の価値観を当然視する思い込みから私たちを自由にしてくれます。
私自身は日本社会でマジョリティに属する存在ですが、こうした歴史を学ぶことを通じて、自己のマジョリティとしての歴史的な特権性について知ることとなりました。それは、人間を自由にするという、リベラルアーツの学びの原点のような経験でした。そうした学びは、真に包摂的(インクルーシブ)な社会を構想するための前提条件です。私の授業は、全ての人が未来を創る自由の可能性を見出すための学びの機会となる授業を目指しています。
【2004年北海道大学大学院文学研究科博士後期課程単位習得退学。文学修士。共著に『「ヘイト」に抗するアメリカ史』(彩流社、2022年)、共訳書に『クィアなアメリカ史』(勁草書房、2023年)、『アメリカ黒人女性史』(勁草書房、2022年)など】
根本 敬
リベラル・アーツにかかせない歴史学のなかにあって、私が担当する「グローバル・ヒストリー」は特に重要な分野です。日本史やフランス史、タイ史といった一国史や、東南アジア史・西ヨーロッパ史・中東史などの特定の地域史を乗り越え、世界の歴史を横に有機的につなげようとする歴史学だからです。それはナショナリズムから自由な歴史学であり、特定の国民国家へのアイデンティティにとどまるのではなく、並行して地球市民としての所属意識も抱けるよう人々を促す歴史理解への努力でもあります。講義ではその意義についていくつかの方法論と先人たちの取り組みを紹介し、わかりやすく刺激的に講義します。
私自身は東南アジア史(特にビルマ近現代史)を専門としていますが、グローバル・ヒストリーへの関心も共有しており、定年退職まで在職した上智大学では同名の講義科目も担当しました。愛国心強調に陥りやすい一国史ではなく、また受験の世界史のような史実詰込み型の歴史でもない、本当の歴史学の楽しみと喜びは、グローバル・ヒストリーの見方を学ぶ中でこそ培われます。
【1989年国際基督教大学大学院比較文化研究科博士後期課程中退、その後、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授等を経て、2007年4月より上智大学総合グローバル学部教授、2023年より同名誉教授。専門はビルマ近現代史。主著に『抵抗と協力のはざま—近代ビルマ史のなかのイギリスと日本』(2010岩波書店)、『物語ビルマの歴史―王朝時代から現代まで』(2014 中公新書)、『アウンサンスーチーのビルマ:民主化と国民和解への道』(2015 岩波書店)等がある。】
熊本 理抄
自由選択科目「マイノリティによる社会運動~人種、階級、ジェンダーをめぐるインターセクショナルな運動」を担当します。
私は、幼少期から部落解放運動のなかで育ちました。留学中に先住民族や性的マイノリティの人権運動に出会ったことをきっかけに、大学卒業後、反差別国際運動(IMADR)という国際人権NGOで働きました。現在は、被差別部落女性の解放運動およびインドやネパールのダリット女性による解放運動、世系に基づく差別とジェンダーの複合差別を研究しています。
授業では、現代社会における人権課題を、自己理解、他者理解、社会構造の視点から学修します。重視するのは、課題克服と人権獲得に向けたマイノリティのとりくみ、人権保障の実現に向けた市民社会の努力です。人権は、誰かによって与えられるものではなく自らが闘いとっていく実践であり、人々の闘いのなかで成熟し培われてきた思想です。その闘いをしてきたマイノリティが社会をどのように見て、どのように変えてきたのかをインターセクショナリティ(交差性)の視点から考察します。尊厳を守るべく抵抗してきたマイノリティの実践を受け継ぎ発展させていく力を学生の皆さんとともに深めていきたいと思います。
大阪府立大学大学院人間社会学研究科博士課程修了、人間科学博士。著書に『被差別部落女性の主体性形成に関する研究』(2020解放出版社)、『近現代日本の部落問題3 現代の部落問題』(共著、2022解放出版社)、『沈黙する人権』(共著、2012法律文化社)、『人権論の再定位』(2011法律文化社)などがある。
鈴木 淳也
1966年生まれ。緑内障で12歳で失明。
1993年にソニー株式会社入社。視覚に頼らなくても、安心して操作できるアクセシビリティ(例えば、凸点表示や通知音)の開発をした。テレビのリモコンの5キー、チャンネル+キーに凸点をつけることを提案し、ソニーのみならず、他社への展開も実現した。また、機器の操作メニューの機転を通知音で知らせる手法を提案し、ICレコーダなどに適用されている。
さらに、自らの日常の聴覚体験を生かしたオーディオ技術の基礎開発をしている。特に、「音の方向を正確に判断する能力」を生かして、ヘッドホンでの立体音響再現のメカニズムを探求している。
東京大学・伊福部研究室の協力研究員を経て、富山大学生命融合科学教育部にて博士(工学)を取得。
担当講義では、これまでの研究を踏まえて、主に以下の項目をお伝えして行きたい。
アクセシビリティへの立体音響の活用
当事者視点をものづくりに→イノベーションの創出
佐野 正信
英語を担当します。これまで(株)東京放送(TBS。在籍期間1984~1986)、ブリストル・マイヤーズ スクイブ(株)(アメリカの大手医薬品企業の日本法人。在籍期間1992~2018)、ケリング ジャパン グッチ ディビジョン(イタリアの高級ブランド、グッチの日本法人。在籍期間2018~現在)で社内翻訳家をつとめるかたわら、出版翻訳にも従事してきました。主な訳書にケネス・ストロング『田中正造伝 嵐に立ち向かう雄牛』(晶文社、川端康雄氏との共訳、1987)、ノーラ・エレン・グロース『みんなが手話で話した島』(築地書館、1991)、オリヴァー・サックス『手話の世界へ』(晶文社、1996)などがあります。『みんなが手話で話した島』は1998年、静岡大学人文学部が一部を引用して小論文の問題に使い、その後、二種類の受験参考書、吉岡友治『吉岡のなるほど小論文頻出テーマ16』(桐原書店、2001)と高橋広敏『高橋広敏の「受かる!小論文」が面白いほど書ける本』(中経出版、2004)が、それぞれ10ページ以上の詳細な解説付きでその入試問題を“過去問”(過去に出題された試験問題)の例題に使っています。『みんなが手話で話した島』は2022年、早川書房からハヤカワNF文庫として文庫化されました。文庫版は単なる覆刻版ではなく、訳文や訳注を全面的に見直し、訳者あとがきも書き直して情報をアップデートした新訳改訂版です。『手話の世界へ』は1996年、第50回毎日出版文化賞(自然科学部門)を受賞しています。『手話の世界へ』は毎日出版文化賞の審査員で解剖学者の養老孟司氏から高く評価されたほか、ロシア語同時通訳者でエッセイストの米原万里氏の書評集『打ちのめされるようなすごい本』(文春文庫、2009)でも紹介されています。
【1959年静岡県沼津市生まれ。8歳のときストレプトマイシンの副作用で失聴。1986年明治大学大学院文学研究科博士後期課程中退(英語学)。翻訳家。2010年から日本社会事業大学非常勤講師(英語担当)。2021年から『手話学研究』(日本手話学会機関誌)に「私のLost in Translation」を連載中。杉並区聴覚障害者協会会員(元理事)。趣味は旅行と映画鑑賞。】
袖山 由美
アメリカに約8年間留学していました。最初はギャローデット大学内にある語学学院のELIに1年間在学しました。その時に教わった授業にはクロスカルチャーというものでした。アメリカは多文化で成り立っている国なのでお互いの文化を尊重するために学習するものでした。同時にASL(アメリカ手話)も基本から学び、手話ポエムを作って発表しました。ギャローデット大学に編入してからは、ろう文学やプレゼンテーションが必須科目となり、世界の聾史を調べて、プレゼンテーションする力を磨きました。大学院では聾教育学で色々なアプローチの教育論を学びました。卒業後、2つの聾学校で教鞭をとりました。
帰国後、オンラインによる手話で英語を学ぶ『Eyeth for English』を立ち上げました。日本で6年間学んだ英語は曖昧のままだったのですが、ASLから英語を学んだことで6年間の疑問が一気に解決しました。私自身が聞こえないため、書き言葉の日本語で考えて、日本語に訳すという言語のプロセスが合っていなかったと気づきました。第一言語が手話である私はASLで英語を理解し、英語をASLで話すという言語のブリッジが一番合っている。その経験を基に点数を取らない、楽しく英語を身につけるプロセスに力を入れております。
授業ではASL,ポエム、手話(ビデオ)分析、プレゼン、ろう文化、のすべてを取り入れ、異文化異言語のアプローチをしてもらいます。
【2000年ギャローデット大学卒、2002年サンフランシスコ州立大学大学院卒、アメリカの聾学校2校で教師(2002-3)。ASL↔JSL通訳(2002~)、日本社会事業大学ASL講師(2009著書に「わたしは心を伝える犬―ゆんみの聴導犬サミー」(2005ハート出版)がある。】
広瀬 浩二郎
国立民族学博物館 人類基礎理論研究部 教授。総合研究大学院大学 人類文化研究コース 教授。自称「座頭市流フィールドワーカー」、または「琵琶を持たない琵琶法師」。
1967年、東京都生まれ。13歳の時に失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。2000年、同大学院にて文学博士号取得。専門は日本宗教史、触文化論。「ユニバーサル・ミュージアム」(誰もが楽しめる博物館)の実践的研究に取り組み、“触”をテーマとする各種イベントを全国で企画・実施している。2021年9月~11月、国立民族学博物館において特別展「ユニバーサル・ミュージアム-さわる!“触”の大博覧会」を担当した。著書に『ユニバーサル・ミュージアムへのいざない』(三元社2023)『「よく見る人」と「よく聴く人」-共生のためのコミュニケーション手法』(相良啓子との共著岩波ジュニア文庫2023)『触常者として生きる―琵琶を持たない琵琶法師の旅』(伏流社 2020)、『身体でみる異文化 』(臨川選書 2015)等がある。
橋本 恭子
前期に「台湾文学」、後期に「比較文化論」を担当します。
大学時代はフランス文学を専攻していましたが、フランス留学中に中国や韓国、ベトナム、タイからの留学生と出会い、アジアに関心を持つようになりました。その後、アジアから日本の近代を見直したいと考え、台湾に留学し、比較文学者島田謹二の台湾時代に焦点を当て、ポストコロニアルの観点から日本統治期の文学を研究しました。修士課程と博士課程の約10年をかけてこのテーマを完成させた後、戦後台湾の女性文学とLGBTQの文学に研究対象を広げました。その後、台湾のホームレス10人とソーシャルワーカー5人のオーラルヒストリーをまとめた李玟萱著『私がホームレスだったころ』を翻訳する機会に恵まれ、貧困をテーマとした文学も新たな研究テーマになりました。そこで、前期の授業では、「マイノリティと文学」のタイトルで、性的マイノリティ、先住民族、ホームレス、貧困女性、セックスワーカーを文学はどのように描いてきたかを考察します。後期の授業では、文学作品だけでなく、映画やグラフィックノベル、音楽などを通し、移民・難民、貧困、障害、ジェンダー、セクシュアリティなど、現代社会が直面している共通の課題を比較文化的観点から国境横断的に考察していきます。
【日本社会事業大学、津田塾大学、東洋大学、駒澤大学非常勤講師。1980年学習院大学卒、1986年フランス・パリ第八大学文学部フランス文学科修士課程修了、2003年台湾国立清華大学中文研究所修士課程修了、2010年一橋大学言語社会研究科博士課程修了。学術博士。単著に、『《華麗島文学志》とその時代―比較文学者島田謹二の台湾体験』(三元社、2012年2月)、『島田謹二――華麗島文學的體驗與解讀』(涂翠花・李文卿訳、台湾:台大出版中心)。共著に、「東アジアにおけるレズビアン・フェミニズムの運動・理論・文学――その歴史と経験の共有は可能か?」(佐野正人編著『思想・文化空間としての日韓関係 東アジアの中で考える』、明石書店、2021年3月)。訳書に、張小虹著『フェイクタイワン――偽りの台湾から偽りのグローバリゼーションへ』(東方書店、2017年5月)、李玟萱著『私がホームレスだったころ――台湾のソーシャルワーカーが支える未来への一歩』(白水社、2021年7月)など)】
角 祐樹
ろう者の言語である「日本手話」の授業を担当します。私の専門は日本手話と聾文化です。手話は、言葉だけでなく、視覚的な手や体の動き、表情を通じてコミュニケーションをとる素晴らしい手段です。日本手話は、聴覚障害者の方々が共有する独自の言語であり、その表現力と深さに魅了されています。
手話はある種の言語障壁を乗り越え、異なる方法でコミュニケーションをとることを可能にします。そのため、私は日本手話を教えることを通じて、多様なコミュニケーション手段の重要性を理解し、尊重することを心がけています。同時に、聾文化も理解し尊重することが欠かせません。聴覚障害者のコミュニティにおいて形成される独自の文化や価値観があり、これらを理解することでより効果的に指導できると信じています。
聴覚障害者の方々とともに、豊かな聾文化を共有し、学び合っていくことが大切です。日本手話の基礎から高度な表現までを探求し、同時に聾文化に触れていくことで、言葉や文化の多様性に富んだ世界に一歩踏み出していただけることを願っています。
『ナチュラル・アプローチ手話教授法講座修了済、ろう通訳者養成講座修了済、手話寺子屋(WP)や地域手話講習会や日本社会事業大学等で手話講師実績あり』
田村 真広
選択科目「人権と福祉教育」を担当予定です。学校における「いじめ」予防と解決に関心を持っています。人間関係のトラブルは発達課題と前向きにとらえることができますが、一方で子ども間の「いじめ」の背景に家庭内の児童虐待や職業・地域社会でのハラスメントが絡んでいることがあって一筋縄で解決できないことがあります。人権尊重の主体形成に正しい知識の獲得や最新情報への更新は必須ですが、再生産される偏見や差別のしくみを見抜き、被害側と加害側の子どもが当事者性を獲得し、弊害を最小化する手立てを機能させることが重要です。被害者が声をあげるにはアライ(ally)の存在が不可欠です。一人の切実な訴えを傾聴する人々こそが被害者の声を引き出し響かせるのです。傍観する大人が知らずに加担側にいるかもしれないと「振り返り引き返す」こともまた、アライ層を厚くするための良き構えとなります。
【1994年 筑波大学大学院単位取得退学(教育学修士)、北海道教育大学を経て日本社会事業大学教授。共編著(2002)『福祉科指導法入門』中央法規出版/共編著(2006)『あっ!こんな教育もあるんだ』新評論/共編著(2014)『福祉教育・ボランティア学習の新機軸』大学図書出版/共編著(2018)『希望をつむぐ教育』生活ジャーナル/分担執筆(2019)『生徒指導・進路指導』ミネルヴァ書房、その他多数】
大西 穣
西洋音楽史は、リベラルアーツ教育の中核をなす学びの一環として、重要な位置を占めています。音楽史的な文脈を身につけることは、表面的な技術や流行を学ぶだけではなく、広範な文化的理解と知的探求の精神を涵養することに他なりません。リベラルアーツの理念である「自由になるために学ぶ」という信条の下、西洋音楽史は、多様な文化的背景を持つ作曲家たちの作品を通じて、社会や歴史、そして人間の情感に光を当て、それらが宗教的、歴史的、そして社会的にどのように音楽が作られ、受容されてきたのかを理解していくことを促します。異なる時代や文化における人々の価値観や世界観、人間関係の変化を学び取り、多様性に満ちた現代に活きていくための知恵となるのです。
わたし自身、クラシックピアノやジャズのビッグバンド、ロックバンドやブラジリアンのバンド、DJまで経験する中で、人々の音楽に対する価値観や趣向性が多様であること、そしてそれぞれがとても深いことにいつも驚いてきましたし、多くを学んできたと感じています。またこれからも学んでいくことになるでしょう。皆さんの音楽を学んでいく旅のお手伝いができたらと思います。
【2004年国際基督教大学大学卒、2009年バークリー音楽院卒。主な訳書にジョン・ケージ著『作曲家の告白』(2019 アルテスパブリッシング)、ジェローム・スピケ著『ナディア・ブーランジェ』(2015 彩流社)。 主な著作に『AA 五十年後のアルバート・アイラー』(2021、共著、カンパニー社)、主な論考に「小澤征爾の世界と「ふれる」」(『図書』 岩波書店 2022年6月号)、「レイ・ハラカミと「うた」」(『ユリイカ』 青土社 2021年6月号)がある。】
御園 政光
視覚障害者がPCを活用するために不可欠なスキルや関連知識についての授業を担当します。また、視覚障害者に対する情報提供に携わる仕事をしていますので、アクセシビリティを確保する情報保障についても担当します。
情報格差(デジタルデバイド)は、障害者が直面する社会課題です。とりわけ視覚障害者は情報弱者とも言われ、情報にアクセスするための手段に制約を受けながら生活しています。テクノロジーはすべての人の利便性を高めるための道具です。画面読み上げ機能といった支援技術を活用することで、目が見えない・見えにくい人も、ネット検索したり、メールしたり、SNSをしたり、WordやExcel操作ができたりがするのです。私自身は全盲です。日常的にWindowsパソコンとiPhoneを活用しています。読書はKindleやサピエ図書館という視覚障害者向けの電子図書システムを活用しています。見える人と遜色なく情報を得て、生活をして収入を得られているのはテクノロジーあってのことです。しかし、視覚障害者の多くは支援技術を使いこなせていません。社会的、経済的な資源が十分ではなく、その機会を享受できていないからです。視覚障害者と情報をつなげていく活動が私のフィールドワークです。
【2006年筑波大学大学院(教育学修士)、東京女子大学院博士課程単位取得。東京大学先端科学技術研究センター研究員、NHK放送技術研究所研究員を経て、視覚障害者総合支援センターちばに勤務。視覚障害者を対象にしたパソコンやスマホ等のICT機器の指導、相談等に従事。総務省デジタル推進事業、視覚障害向け指導者マニュアル共著、点字毎日連載コラム執筆、ほか。】
渡邊 健一
点字データクラス。主な主題は「視覚障害者(児)固有の生活様式と文化的価値」「聞いて触って幸せさがし」等。「聞いて触って幸せさがし」とは、私が2005年に都立総合学科高校の市民講師をした際、視覚障害者の生活様式や文化的側面の価値を知ってもらうための体験的な授業で、初めて掲げたテーマです。以来18年。小学校から大学まで福祉教育の授業支援を継続中。一市民の立場から、学校や地域で視覚障害者(児)の「障害」や「心理」の一端を体験的に学ぶ目的の授業をより良いものにすべく、当事者発で学校の先生方を支援する指導案を開発し啓発に取り組んできました。案の概要は、近刊の『ふくしと教育』通巻36号(2023年9月号)の「わたしの指導案」の欄に寄稿していますので、ご一読いただければ幸いです(全文は大学図書出版のサイトの「読者のページ」からダウンロードしてご覧ください)。
視覚障害者(児)の生活を支えている貴重な情報源である「音声」の存在を大切に扱ってくださる方々。紙とデータ化との共存時代の真っ盛りである「触読文字としての点字」の可能性と直面する課題に、多くの方が学び理解を深めてくださることを期待します。2025年は、16歳だったルイ・ブライユ氏によって現在の点字の基礎となっている“6点点字”が考案されて満200年です。この歴史的な年から、この科目を履修される皆さんと“聞いて触って”幸せに生きるとはどういうことか?皆さんとお目に(お耳に)かかり、ご一緒に深め掘り下げていけることを楽しみにしています。
【法政大学大学院 人間社会研究科福祉社会専攻修士課程修了。修士(福祉社会)。神戸大学大学院 人間発達環境学研究科ヒューマン・コミュニティ創成研究センター 学外研究員。2024年1月より相模原市社会教育委員。これまで同市総合計画審議会委員等歴任。日本社会教育学会, 基礎教育保障学会, 日本福祉教育・ボランティア学習学会会員。著作に・「わたしの指導案 当事者と共に探究する“見えない”が見えてくるバリアフリー学習授業プラン《聞いて触ってしあわせさがし》にこめた全盲講師の眼」日本福祉教育・ボランティア学習学会編『ふくしと教育』通巻36号(2023年9月)、「“130歳を迎えた日本点字”を希望の未来へつなぐ~輝き続ける「ブライユ点字」の考案200年を目指して~」『図書館ひろば』第26号(2021年1月)、「社会教育を見る眼 バリアフリーシステムを学習素材に~誘導ブロックが教えてくれるもの」『社会教育』750号(2008)等。】
バリアフリー教養大学
ご寄付のお願い
皆様におかれましてはますますご活躍のことと存じます。
バリアフリー教養大学設立準備委員会では、2026年4月の開学をめざして、文部科学省に設置申請を行う予定です。(早ければ2025年4月開学、と目標にしておりましたが、完全オンラインの大学の仕組みについての調整にもう少し時間がかかるため、2026年4月の開学をめざすことになりました。ご出資いただいた皆さまには最短の予定よりも遅れての返済となってしまいますがご了承ください。)
バリアフリー教養大学は、情報保障完備で、大学に通学することが難しい障害のある人やさまざまな困難を抱えた人を含め、誰もが学べる完全オンラインの日本で初めての大学です。ここで学べる内容は、マイノリティや多様性、人権を中心にしたもので、教員・職員の多くはマイノリティ当事者の方および人権を軸にした研究や実践に取り組んでいる方です。そして、このような大学をつくることで、インクルーシブ社会を構築する人材を輩出するとともに、マイノリティの視点から日本のリベラルアーツや学術研究の向上をめざしています。
これまで学校の開設には膨大な資産が必要でしたが、完全オンラインと趣旨に賛同する関係者の力で、何とか手の届く資産で開設できる見込みになり、昨年度は目標を超えるご寄付とご出資をいただきました。
しかし、設置認可に向けて盤石の財政基盤を確立する必要がありますので、引き続きご寄付のお願いをさせていただく次第です。ご趣旨をご理解いただき、ご協力いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
2024年4月
振込先 三菱UFJ銀行 武蔵境支店 普通預金 0503463
バリアフリー教養大学設置準備委員会 代表 斉藤くるみ
※口座名義は「設立」ではなく「設置」となっておりますのでご注意ください。
設立準備HPはこちらです。
https://www.barrierfreeliberalarts.com/
バリアフリー教養大学設立呼びかけ人(五十音順)
大西直樹(国際基督教大学名誉教授)
斉藤くるみ(日本社会事業大学名誉教授)
末森明夫(日本手話学会会長)
田村真広(日本社会事業大学教授)
辻 浩(名古屋大学教授)
苫米地憲昭(元国際基督大学教授)
日比野 清(日本ライトハウス理事)
森 壮也(日本手話学会元会長)
山下英三郎(日本社会事業大学名誉教授)
■ご寄付について
・1口1万円以上のご寄付
文部科学省に設置が認められなかった場合、設立準備委員会で次年度の申請も行わないと判断してから3ヵ月以内に全額返済いたします。
・少額のご寄付(500円から)は、HPの寄附ページからSyncableのページに飛んで自動振込みをご利用ください。
先生方の芸術活動
福島智先生
福島智先生の生い立ちを描いた映画
『桜色の風が咲く』が2024年1月3日(水)14:00~ NHK Eテレで上映されます。
桜色はお母様役の小雪さんのイメージにぴったり。とても素敵な映画です!
映画の公式サイトは以下。バリアフリー予告編があります。製作には福島先生ご自身が細部にわたって関わられた上質の映画です。是非見て下さい!
映画の公式サイト https://gaga.ne.jp/sakurairo/
大西先生
「英米文化論Ⅰ.Ⅱ」の大西先生の演奏をお楽しみください。
教授定年後、音大で学んでいらっしゃいます。
アマチュアとは思えない!
シニアの皆さん。是非二つ目、三つ目をめざしましょう。
雫境(ダケイ)先生
「ろう者のオンガク」「舞踏」ご担当の雫境先生。
舞踏家・映画監督等マルチに活動されています。
美月先生
美月先生のバリアフリー演劇結社ばっかりばっかりをご覧ください。
ご主人も俳優さんです。
広瀬先生
広瀬先生のさわるミュージアム
触の祭典「ユニバーサル・ミュージアム さわる!めぐる物語」をご覧ください。
渡邊先生
点字朗読『武蔵野』(国木田独歩)の動画です。
渡邊信子さんは点字朗読者として活躍していらっしゃいます。
渡邊健一先生のお母様です。
ドキュメンタリー映画
イタリア盲文化のドキュメンタリー映画をお楽しみください。
キャリアデザイン部長小野克樹さんより、皆さんにメッセージです。
「出来ないことにフォーカスせずに、出来ることに注力して、周りの人に何を提供できるか考え、実行することで、自ずと道は開けます。」
異能β+重度障害者の小野さん
小野克樹
バリアフリー教養大学は働くスタッフも多様で多才。
全面リモートで働けるワーキングスタイルをデザインし、全国に発信します。大学そのものがインクルーシブ社会のモデルなのです。
教職員一丸となって学生の皆さんの将来のキャリアデザインに役立つ情報を収集・提供します。
資格取得を目指し、さらなる進学を目指す学生も応援します。
高野真吾氏(ビデオグラフアー&ライター)のインタビュー https://moov.ooo/article/645a1b0692174f167ab055b4 にとびます! Youtube 動画に映る文字 『異能β+重度障害者小野克樹さんが示す「へんな人」の可能性とは』 寝たきりでも限界なし。「異能」が拓く世界とは。 総務省が支援する異能vationプログラムを飛び級で卒要し、「異能β」となった小野さん。 実は重度障害者で体を自由に動かせない。 呼吸や発話や食事も4年ほど前からできない。 神経疾患によるものだが原因不明で治療法もない。 ネットは使えるためメールインタビューをした。 Q「異能βとなった感想は?」 小野「認めていただけて嬉しく、飛び級卒業も喜んでいます。しかし実力不足と感じる部分もあるため、ふさわしい能力を身に着けていきたいです。」 Q「これまで何に関心を?」 小野「起業やイノベーションと障害です。障害分野でまだ解決されていない不条理な課題があると日々感じています。その解決に取り組みたいです。」 Q「ご自身の可能性は?」 小野「延命するくらいなら死んだ方がマシと言う方や延命しないで死を選ぶ人もいます。しかし私はもっとよく考えてもっと適切に知るべきだと思います。 寝たきりになっても今の時代では環境が整えば何でもできます。私が一つのモデルになれたら嬉しいです。」 以下はインタビュー詳細(動画ではありません) ChatGPTに代表されるAI(人工知能)が突き付ける課題の一つは、「人間にしかできないことは何か?」だ。ネット上の情報を組み合わせた「正解」は、AIが作れる。しかし、脈絡なく斜め上にジャンプする発想は、人間にしか持ちえない。型や枠からはみ出た思考ができる、そんな「へんな人」の時代が来ている。筆者が小野克樹さん(27)に注目する理由も、ここにある。 『飛び級で異能βに』 小野さんは今年、総務省が支援する異能vationプログラムで「異能β」に認定された。同プログラムは、「ICT分野において破壊的な地球規模の価値創造を生み出すために、大いなる可能性がある奇想天外でアンビシャスな技術課題への挑戦を支援」するものだ。平たくいうと「へんな人」を探している。 小野さんは2022年に「破壊的な挑戦者部門」にノミネートされた。テーマは「これからメタバースで新たに生まれると予見される仕事にフォーカスした障害者の就労プロジェクト」。通常は1年をかけてゴールに向かう。順調に成果を積み上げた小野さんは、いわゆる「飛び級」扱いで、わずか半年ほどで異能βに昇格した。 異能vationプログラムのサイトで「異能β一覧」をチェックすると、時代を引っ張るメンバーが並ぶ。小野さんの左側には、メディアアーティストの落合陽一さん。他にも化学者・発明家の村木風海さん、「無駄づくり」で知られる藤原麻里菜さんらもいる。
『実力ありつつも謙虚』 小野さんにはメールインタビューを実施した。まずは「異能βとなった感想」を聞いた。 「審査員が著名な方々ばかりなので、認めて頂けたことを嬉しく思っています。小数しかいない飛び級卒業だったことも、嬉しいです。しかし、異能βの方々はすごい人ばかり。単純には比較できませんが、実力不足と感じる部分もあり、ふさわしい能力を身につけていきたいです。」 小野さんは、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科の在学中から、ビジネスコンテストで入賞するなどの実績を持つ。今回、動画を作るにあたって、これまでの歩みを一覧表で送ってもらった。中学校時代は「勉強が得意になり、学内でも全国でもランクに入っていたので、一目を置かれていました」とのこと。メールでのやり取りからも、地頭の良さを感じる。早くから得意分野を見つけ、しっかりと努力を重ねた結果の異能βへの認定だ。「実力不足」なはずはないのだが、一途に自身の能力向上を誓っている。その姿勢は実に頼もしい。 『「起業やイノベーションと障害」に関心』 次に「これまで何に関心を寄せてきたのか?」と尋ねた。 「起業やイノベーションと障害です。障害分野の課題解決をしたいのですが、その手段として起業やイノベーションが最適と考えています」 「社会運動などの政治的な手段より、起業であれば、確実に早く目の前の課題を解決できます。また、そのビジネスがスケールして、社会を変えるイノベーションとなれば、もう戻しようのない変革になります」 「障害分野では、まだ解決されていない不条理な課題があると、日々感じています。その解決に取り組みたいです」 『命の選択を考えるうえでモデルに』 最後の質問は、小野さんが「自身の可能性をどう考えているのか?」にした。深く考えた言葉が返ってきた。 「延命するくらいなら死んだ方がマシと言う方や、延命しないで死を選ぶ方もいます。しかし、私はもっとよく考えて、もっと適切に知るべきだと思います」 「私がビジネスコンテストで入賞し、早稲田の大学院を卒業するなどの成果を出したのは、気管切開などの延命措置を受けてからです」 「寝たきりになっても、今の時代では環境が整えば何でもできます。私は大学院で論文を書き、働き、起業に取り組み、新しいコミュニティに参加し、新たな仲間を作りました」 「命の選択を考えるうえで、私が一つのモデルになれたら嬉しいです」 『四つの「不可」抱えつつ』 小野さんは、先天性の神経疾患と闘っている。中高時代は電動車いすで過ごしていたが、しだいに筆記ができなくなり、呼吸も苦しくなる。早大時代に電動車いすの操作ができなくなった。 2018年4月に早大大学院に進学したが、自力での呼吸が困難になり、2019年に気管切開の手術を受けた。1年間休学した間、著作権が切れた作品を集めたサイト「青空文庫」を読むなどして過ごした。 小野さんは自らの「障害の重さ」を以下のように端的に記す。 「電動車椅子の操作不可、座位維持困難、筆記不可、呼吸不可、発話不可」 四つの「不可」と一つの「困難」が並ぶ。確かに「できない」ことは多く、日常生活を過ごすのに介護が必要だ。 『起業アドバイザーとしても活躍』 しかし、インタビューで答えた通り、ネット時代の今、小野さんができることも多い。 小野さんが取り組むのは、異能β関係にとどまらない。現在、フリーランスとしてガイアックスと契約し、リサーチを担当。主にスタートアップ関連企業の情報を集め、記事にしている。また、2022年12月からは医療系スタートアップの起業アドバイザーもしている。 色々なコミュニティにも参加しており、小野さんと筆者はその一つで接点を持った。こうしたメディアへの出演やメールインタビューへの応答も、何ら問題ない。 「へんな人」たる小野さんは、これからも「異能」を生かし未来を切り拓いていくだろう。彼が障害者のために仕掛けることは、いずれ健常者にも広がる。 これからの活躍を楽しみにしたい。 以下SNSの画面が映っている 小野克樹@Katsuki_O_H 原因不明のALSのような神経疾患で、気管切開など延命治療したねたきりのフリーランス/高校~院まで早稲田➨Gaiaxなどでフリーランス(スタートアップ関連企業を中心にリサーチなど色々)/関心領域はsy会課題、企業関連など/障害者の就労関連事業を検証中/AIアートにはまってる 東京都新宿区 facebook.com/katsuki.hirai Tannjyoubi 12月15日 2011年10月からTwitterを利用しています。
保護どうぶつと先生方
袖山先生
袖山先生のご家族です。
わんちゃんは、元聴導犬と保護犬です。
(ご主人は世界デフゴルフ選手権の日本代表エースです。)
なかの先生
ハクビシンのゴルビーは、保護されてなかの先生の子になりました。
仙台の路上をうろついていたジェイク。
認知症になってもなかの先生のうちで幸せに暮らしました。
キタキツネ北海道で撮影。
タヌキ八木山動物園で撮影。
黒川先生の保護猫・保護犬活動
担当科目の一つとして「人と動物との共生」が予定されています。ソーシャルワーカー(社会福祉士)の立場で、人の福祉と動物を取り巻く諸問題との深いつながりを明らかにし、人と動物が無理なく幸せに共生していく道筋を、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。 私は、福祉の仕事・実践と並行して、動物(おもに犬猫)の保護活動にボランティアとして携わってきました。そこで出会った動物たちを、ごく一部ですが紹介します。 保護犬、保護猫シェルターで譲渡先(新しい家族)を待っています。 遺棄されたり、繁殖業者が倒産した劣悪な現場に残されたりなど、様々な背景を持った動物たちがシェルターに来ます。いまは被災地からも預かっています。 多頭市域崩壊の現場で生まれ育った猫たち。飼い主が保護した2匹の猫に繁殖制限の手術をしなかったため、何十匹と数えきれないほど増えてしまいました。その現場から助け出されましたが、譲渡先を探すボランティアはたいへんな苦労をしました。 のら猫として生まれ、保護され、家猫になりました。 外で暮らす飼い主のいない猫に不妊去勢手術をして、元々暮らしていた場所に戻し、給餌するなどして地域で見守る活動も展開されてきました(地域猫活動)。 皆さんのご希望があれば、保護犬猫のシェルター等でのボランティアやインターンシップの機会を準備することも可能です。 (黒川京子)
バリアフリー教養大学では、原則として書類等に性別を記入する必要はありません。
授業で、通称名を名乗ってもかまいません。ビデオによる双方向授業でアバターで参加することもかまいません。
どんな性的指向の方も、性自認の方も、自分が自分であることに誇りを持って、自由にのびのびと学びましょう。
バリアフリー教養大学は、図書館もバリアフリー
古本プロジェクトと連携してSD Gsを実現
テキスト化でバリアフリー&デジタルグリーン
古本プロジェクトのいちょう企画と連携
詳しくはこちらから
嬉しいメッセージをたくさんありがとうございました。一部ですがこちらにシェアします。
金銭的、物理的な理由など大学での学びが難しい方や、社会人への学びの補償ができる点など、オンラインならではの強みがあると思った。
認可の申請がうまくいくことを祈っています。教員の方々や担当される講義が大変魅力的だと思います。知的障害、発達障害、精神障害の内容などにも興味があります。
自由に学び合える大学がすごく減ってきているように感じます。そういうなかで、なんと魅力的な講師陣でしょう。海外留学とまではいかなくても、先生と行く海外研修などもあると魅力的ですね。
とてもいい!素晴らしい!
開設を楽しみにしています。寄付等で支援させていただきます。
入学を勧めたい若い人の顔が何人も浮かびました。楽しみです。
いくつになっても学べる場所があるのはいいことですね。
社会事業大学のろう者対象の社会人枠が無くなっただけに嬉しい。
学生のとりあいのような設立ではなく、社会的に確実に必要な設立だと考える。この設立を構想された方がたの見識に、心より敬服します。
新しい企画で、広く、誰でも学べる、というコンセプトに賛同します。
とても良い考え方だと思います。わたしも今の仕事を退職し、時間ができたら考えたいと思っております。
大学卒業してるが通信でもよければ志願したいと思いました。
アクセシビリティが整っていることが魅力
自分もヤングケアラーで被虐待児自身です。環境に左右されないで学べる大学を作って下さい。
新しい学校の成功を願っております。何かお手伝い出来ることは、させていただきます。
全ての人に学ぶ喜びを保障する大学づくりへの挑戦であり、意義深い。
手話言語が封印されようとした時代を思うと、ここまできたなと感慨深いです。多様な学びの場を作ってください。応援してます。
引きこもりの方の支援などもしてきましたので、素晴らしい取り組みと思います。ぜひ開学して頂ければ嬉しいです。
どんな人でも学ぶことを諦めなくていい時代が来ますよう応援してます。
興味深いと思います。どれほど社会に役立つ内容にできるか、多くの人の意見が集まるといいな
多岐に渡る内容でワクワクしてきました。
今回初めてこの大学のことを知りました。大変興味深いですし、期待しています。
ぜひ実現させてほしいと思います。
働きながら学べる、お家で学べるのが興味深いです。
障害児の支援に関わって15年になります。 障害児支援だけでなく、社会の福祉や障害に対しての考えや施作などにも関心を持ってきました。 それを体系的に学びたいと思っています。
さらに詳しく知りたくなりました
私は今ろう学校高等部2年です。大学進学目指して筑波技術大や社会事業大学考えていました。先生からたまたま教えて貰って興味持ちました。日本手話で学べる魅力が大きいです!
とっても楽しそうな大学!!ろう者にとって入りたくなる大学です。教育予定者も信用できる教員ばかりです
広がりに期待しています。
これからに注目しています。
学力を重視した教科教育に偏った通信教育ではない視点が良いと思いました。さまざまなマイノリティーの方が活用できる学びの機会になりそうですね。
だれもが入学しやすい環境に魅力を感じます!
バリアフリー教養大学に入学した学生がどのように学びどのように成長していくのかを楽しみにしています。
画期的な大学で、多くの方にとってプラスになると思います。心から賛同しています。
がんばってください
設立の趣旨がよく示されていると思いました。
大変に意義があり、また重要な大学だと思う。バリアが意識されていないことがバリアを作っていることに少しでも多くの人が気づくきっかけとなることを願っている。
コロナ禍で育ち、通信制高校を希望する生徒が多くいます。更に学びたいと考えていても進路先に悩む生徒には魅力的な大学です。内容が今日的なので、もう一度大学で学び直したい高齢者にも魅力です。
社会的な意義がとても大きな試みであると思います。関係者の皆様の豊かな発想と努力に頭が下がります。
社会的にたいへんな意義のある試みだと思います。応援しています!
今までにない画期的なカリキュラムの大学で、誰にでも開かれている点が素晴らしいです。学知を健常者に独占させるのでなく、異なるタイプの学生に共有してもらうことで、学知そのものが新しくなっていくでしょう。このような大学で教えられることを光栄に思います。
現段階でよくここまで作りましたね。感心しました。
カリキュラムに魅力を感じました。
今までにない取り組み非常に楽しみですし、期待しています
令和3年度に日本社会事業大学の手話による教養大学で学ばせていただきました。次年度の開講がないとお聞きして、残念に思っていたのでこの度の開設予定は大変うれしく思っております。パートや正社員として働いていても、長い期間をかけて学べるようなカリキュラムを望んでおります。続報を心待ちにしております。
とても素晴らしい取り組みですね 陰ながらの応援しております
今の時代に必要な大学だと思います。応援しています。
将来、聴覚障害教育について学びたいと思っている高校生です。特別支援学校教諭の免許状(聴覚障害領域)が取得できるのにも関わらず、手話について学ぶ講義がない大学があることを最近知りました。地域の手話サークルでは交流が中心であるため、手話を言語として学べる機会があると知りとても興味がわきました。
障害者を含めた全ての人々が学べる環境、そして様々な当事者が教員として登壇するというコンセプト、もっとPRして良いと思います。 また、資格課程が設置され、そして大学院で様々な当事者が研究に関われるようになれればなおさら良いと思います。期待しています。
聾学校教員。開設されたら生徒たちに勧めたいと思います。
手話や演劇などろう文化を学べるこれほど素晴らしい大学はないと思います。こんな大学づくりを考えてくれた皆様に感謝いたします。
皆さまの行動力を尊敬します。情報拡散や寄附で協力させていただきます。
求めていらっしゃる方もいると思いますので、これから、知人に紹介したいと思います。
たいへん重要かつ、斬新な取り組みだと思います。心より敬意を表します。多くの大学にはバリアフリーを願って研究をしている研究者がたくさんいます。研究交流や学生交流を通じて本当のバリアフリー社会をめざすことができるのではないでしょうか。今後も応援を続けたいと思います。
かなり画期的な試みだと感じました。無事に開学され、より多くの人々が学ぶことができ、誰もが豊かな教養を持って、安心してくらせる社会につながることを強く期待しています。
オンラインの可能性と限界を考慮した取り組みであることを期待します。
素晴らしい取り組みに感謝いたします。
完全バリアフリーで学べる場はなかなかありません。よい試みだと思います。
開校して長く続く大学になるといいですね。頑張ってください!
自分自身や周囲に、貴校に入りたいタイミングの者が具体的にいるわけではありませんが、理念として大変興味深くHPを拝見しました。今後開設まで、より教科等が具体的になっていかれるのを楽しみにしています。
いろいろな分野についての講座があり、面白ろそう
学びたい人たちのために、ぜひ実現させてほしい。
これからの社会において、とても大切だと思います。
私は、今年度からろう学校の教員をしています。大学でろう文化、手話について学んだことが今の職場でとても活かされていると感じます。1つ前の質問で「志願しない」にしましたが、私が今大学を選ぶ時期(高校生)に戻ったらバリアフリー教養大学にとても入学を志願したいと思いました。私は社会人1年目で新しい生活が始まり、余裕がありませんが、いつか学び直したいと思ったらバリアフリー教養大学で学びたいです。
今でもは異なる形の大学ができて、一人でも多くの人が学べる機会が増えて嬉しいです。
まず、大学名が何を学ぼうとしているか、わかりやすい!これからの社会に必要な学びだと感じました。
自分自身当事者だが、アバターや戸籍を書かないでいい制度があることがとても嬉しかった。 開学したら、強い意志で志願したいと思っている為、カリキュラムの詳しさや授業についてもう少し詳しく知りたい。今では、だいぶ不安である。今のホームページでも通いたくなるようになっているが、第1期生となって卒業できた時、胸を張って卒業できるような大学に育てて欲しい。大学に入ったら自分も貢献できるような存在になれるよう今から準備を進めようと思っている。 いつも開学の準備大変だと思うが、これからもよろしくお願い致します。
ろうの先生から日本手話の授業を受けられる環境は、ろうの子どもたちにとってとても大切だと感じた。
マイノリティの方々にとって必要な学校になると思います。
どこからでも学べる本学校を待ち望んでる人はいると思いました。
いわゆるマイノリティと言われる方々に注目なさっていて、本当の意味での多様性だなと思いました。 次元が違いすぎて、すごすぎて、すばらしいと思いました。
広い視野で学ぶことができそうで、とても良いと思います。
オンラインで、バリアフリーで学べるという点が画期的で学びの機会が広がる素晴らしい取り組みだと感じました。
様々なバリアが取り払われ自由に学べる場所があることは、出会う機会が増えるということです。インクルーシブな教育、様々な境遇にある人達がお互いに理解し合い共に生きる事を考えるのであれば、学ぶことと同じくらい、同じ時間や空間、スペースを共有する体験が大きいと感じています。この大学の規模は小さいかもしれませんが、その可能性は大きな一歩になると信じています。このチャレンジに感動し、全力で応援します!
障がい者通所施設、GH、相談所等を運営する社会福祉法人理事長を20年務めました。心のバリアはいかんともしがたいと痛感する日々でもありました。出生前診断が進み、障がい者が生まれてはならない社会がそこまで来ています。優生思想からフリーになれる教養が身に付く大学になりますよう期待します🙇⤵️
勧めたい人が、かつていたのですが一昨年、亡くなられてしまいました。重度の頚髄損傷の方で、35年間人工呼吸器で生活されました。支援者の方がその生き様から学ぶことが多く、長年、交流を持ちました。個人レベルの関わりだけでなく、広く社会に伝達できるものがあると感じていましたので、このような事業にとても嬉しくなりました。きっと学びたい方、発信したい方は大勢いると思います。そんな方々に情報が届くよう、協力したいと思います。
コロナ禍を経てオンラインで学ぶ機会が増えたことはとても喜ばしいと思います。バリアフリーで学べるのは素晴らしいと思います
新しい側面をたくさん持つ大学で大変興味が持てます。知り合いが講師になっていてびっくりしました。世の中に広まって行くことを願います。詳しい内容を聞いてみたいです。
私は小学2年生から不登校になり全く学校と関わらずに大人になりました。その為、学校などで自然と身につく基礎的な簡単な計算問題も解けませんでした。今だにそうです。そして学校で勉強を学ぶために定時制高校に入学して現在高校四年になりました。しかし私の学校では勉強もあまり教えてもらえる環境がなく、ただ分からないまま授業は終わってしまうことが多いので、できることならこのような多様性のある場所で私も学びたいと思っています。
ある意味で壮大な構想を持った大学だと思いました。
きれいな景色で、空気が美味しそうですね😍
新しい大学おもしろいですね。学校に通えない不登校な子どもや障がいのある子にも学びのチャンスが増えるといいですね。
障害のある方は通学が困難な場合があると思うので、自宅でリモート授業が受けられるというのは良いと思いました。
障害が軽い重いに関わらず、このような大学が開かれることは画期的です。どのような人も平等に大学に入れて、自由に勉強できるのは素晴らしいことだと思います。一般の大学ではハンディを抱えた学生さんは講義の聞き取りや筆記などが困難なため、他の学生の協力がなければ、学生生活は快適なものではありませんでした。バリアフリー教養大学ができれば、一人で自由に講義が受けられ、補助する学生も必要とせず、独立心、自信も養えると思います。大いに期待でき、オープンが待ちどうしいです。
豊かな発想だと思いました。
障害をお持ちで大学通学が困難な方に高等教育を受ける機会を用意することの重要性を常々感じておりましたので、卒業論文の指導もして学士課程として認められる大学ができることは大変素晴らしいことだと思い、認可されるようにと願っています。
今のところ具体的に入学を勧めたい方は浮かびませんが、今後必要とされる大学だと感じました。学費が抑えられている点も、様々な環境の方にとって学びやすいと思いました。
日本手話で学べる大学ができることは、画期的なことだと感じました。何歳になっても学び続けること、学びたい人が学べる環境が整えられること、すてきだと思います。