苫米地 憲昭


 専門は臨床心理学です。臨床心理士として精神科の病院で9年、大学で30年間学生相談や、臨床心理士養成の大学院で教育に携わってきました。現在は社会人を対象とした相談機関でカウンセラーをすると同時に、若い臨床心理士のスーパービジョン(指導)をしています。担当科目は発達心理学、臨床心理学概論、人間関係論です。

 

 リベラルアーツ教育とは、「人間を巡る根源的問いに関わる教育であり、人間性が教育と学習の目的である」と若い頃に学んだことがあります。私は、臨床心理士養成の大学院生の指導では、①自己を尊重すること、②観察すること、③自分の頭で考えること、④興味・関心をもつこと、を念頭においてきました。これらのことは先達から受けた教育や自分自身の心理臨床の経験の中から抽出されたものですが、リベラルアーツ教育の理念と通底するものがあると考えています。学生指導に当たっては、一人ひとりの個と主体性を大切にしたいと考えています。

 

1972年国際基督教大学大学院修了、教育学修士。著書「私の学生相談―リベラルアーツ教育の中でー」(学生相談研究2003)、「教職員のための学生相談の基本―カウンセラーの視点から」(大学と学生2010)他。