佐野 正信
英語を担当します。これまで(株)東京放送(TBS。在籍期間1984~1986)、ブリストル・マイヤーズ スクイブ(株)(アメリカの大手医薬品企業の日本法人。在籍期間1992~2018)、ケリング ジャパン グッチ ディビジョン(イタリアの高級ブランド、グッチの日本法人。在籍期間2018~現在)で社内翻訳家をつとめるかたわら、出版翻訳にも従事してきました。主な訳書にケネス・ストロング『田中正造伝 嵐に立ち向かう雄牛』(晶文社、川端康雄氏との共訳、1987)、ノーラ・エレン・グロース『みんなが手話で話した島』(築地書館、1991)、オリヴァー・サックス『手話の世界へ』(晶文社、1996)などがあります。『みんなが手話で話した島』は1998年、静岡大学人文学部が一部を引用して小論文の問題に使い、その後、二種類の受験参考書、吉岡友治『吉岡のなるほど小論文頻出テーマ16』(桐原書店、2001)と高橋広敏『高橋広敏の「受かる!小論文」が面白いほど書ける本』(中経出版、2004)が、それぞれ10ページ以上の詳細な解説付きでその入試問題を“過去問”(過去に出題された試験問題)の例題に使っています。『みんなが手話で話した島』は2022年、早川書房からハヤカワNF文庫として文庫化されました。文庫版は単なる覆刻版ではなく、訳文や訳注を全面的に見直し、訳者あとがきも書き直して情報をアップデートした新訳改訂版です。『手話の世界へ』は1996年、第50回毎日出版文化賞(自然科学部門)を受賞しています。『手話の世界へ』は毎日出版文化賞の審査員で解剖学者の養老孟司氏から高く評価されたほか、ロシア語同時通訳者でエッセイストの米原万里氏の書評集『打ちのめされるようなすごい本』(文春文庫、2009)でも紹介されています。
【1959年静岡県沼津市生まれ。8歳のときストレプトマイシンの副作用で失聴。1986年明治大学大学院文学研究科博士後期課程中退(英語学)。翻訳家。2010年から日本社会事業大学非常勤講師(英語担当)。2021年から『手話学研究』(日本手話学会機関誌)に「私のLost in Translation」を連載中。杉並区聴覚障害者協会会員(元理事)。趣味は旅行と映画鑑賞。】