辻 浩


 生涯学習と教育福祉の授業を担当します。生涯学習というと恵まれた環境にある人が楽しむものというイメージがありますが、国際的な潮流も、優れた実践者も、マイノリティに注目して理論と実践を展開しています。そのことにかかわって、差別や排除のある社会をインクルーシブな社会に変える教育福祉の授業も担当します。

 

 大学・大学院で地域課題に取り組む生涯学習を学んだことから、高齢化がすすみ障害が複雑になる中で、高齢者と障害者の地域福祉をすすめる福祉教育のあり方を研究してきました。その一方で、所得格差が教育格差、文化格差、健康格差、意欲格差につながる実態が見えるようなる中で、生きづらさを抱える子ども・若者の教育福祉のあり方を研究してきました。困難をかかえた当事者を中心にして、どのように地域・自治体づくりをすすめることができるのかを考えています。

 

【1990年名古屋大学大学院博士課程満期退学(教育学修士)。名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授(2024年3月まで)。著書(単著)に『住民参加型福祉と生涯学習』(2003年、ミネルヴァ書房)、『現代教育福祉論』(2017年、ミネルヴァ書房)、『<共生と自治>の社会教育』(2022年、旬報社)等がある。】