末森 明夫


 聾者や聴覚障害者の歴史を研究するときに、特に重要になる「日本聾唖史」、「手話歴史言語学(日本手話)」や「手話歴史言語学」についての授業を担当します。また、昨今の生命科学における知見を援用した進化学に基づいて、マイノリティの存在様態に関する包括的研究にも取り組んでおり、その研究を活かした「進化学」も担当します。

 

 講師は分子生物学および深化分子工学に関する研究に従事してきました。そしてダイバーシティという概念を人類社会の営みにおける理念として掲げることを常々考えています。また講師は後期手話習得聴覚障害者として、日本手話を第一言語とする聾者の世界と、日本語を第一言語としつつ、日本手話をも日常生活における意思疎通手段として用いる後期手話習得聴覚障害者の世界を見つめてきました。そして聾者や聴覚障害者の世界における多様性とは何かを考え、聾者や聴覚障害者たちが自身の世界や外の世界おける多様性を実現していくためには、聾唖史や手話学の研究に取り組んできました。このような研究活動および教育活動が、マイノリティの存在意義を掲げたダイバーシティが実現された社会の構築に役立つものと考えています。

 

【1988年東京大学大学院(修士課程)修了。1996-1997年 Kings College London 留学(科学技術庁長期在外研究員)。農学博士。主要論文に「末森明夫(2020)「日本聾唖教育史の新たな地平と非近代主義:アクターネットワーク論と存在様態論による徳川時代の唖と仕形の再解釈」『社会学評論』」や「末森明夫(2020)「日本手話〈明日〉の系譜:時間譬喩・複合語短縮・語構成素反転の網状系譜への連関布置」『歴史言語学』」等がある。】