御園 政光


 視覚障害者がPCを活用するために不可欠なスキルや関連知識についての授業を担当します。また、視覚障害者に対する情報提供に携わる研究を専門としていますので、アクセシビリティを確保する情報保障についても担当します。

 

 情報格差(デジタルデバイド)は、障害者が直面する社会課題です。とりわけ視覚障害者は情報弱者とも言われ、情報にアクセスするための手段に制約を受けながら生活しています。テクノロジーはすべての人の利便性を高めるための道具です。画面読み上げ機能といった支援技術を活用することで、目が見えない・見えにくい人も、ネット検索したり、メールしたり、SNSをしたり、WordやExcel操作ができたりがするのです。私自身は全盲です。日常的にWindowsパソコンとiPhoneを活用しています。読書はKindleやサピエ図書館という視覚障害者向けの電子図書システムを活用しています。見える人と遜色なく情報を得て、生活をして収入を得られているのはテクノロジーあってのことです。しかし、視覚障害者の多くは支援技術を使いこなせていません。社会的、経済的な資源が十分ではなく、その機会を享受できていないからです。視覚障害者と情報をつなげていく活動が私のフィールドワークです。

 

【2006年筑波大学大学院(教育学修士)、東京女子大学院博士課程単位取得。東京大学先端科学技術研究センター研究員、NHK放送技術研究所研究員を経て、視覚障害者総合支援センターちばに勤務。視覚障害者を対象にしたパソコンやスマホ等のICT機器の指導、相談等に従事。慶應義塾大学協力研究員(研究テーマ:視覚障害者がスマートスピーカーの対話型デバイスを活用するための基礎研究)、千葉県立千葉盲学校非常勤講師(担当科目:iPadの活用)、総務省デジタル推進事業「視覚障害向け指導者マニュアル」の分担執筆、点字毎日に視覚障害者のICT活用コラム連載他。】