パーク・クリス
私は、戦後東アジアの「経済開発」がもたらした影響を人権や環境、ジェンダーなどの観点から研究し、影響を受けた側の反対運動の研究も行うことで、多角的な分析をおこなっています。特に「日本社会運動史」、「戦後高度成長:アジアの人権・ジェンダー・環境問題」などトランスナショナル社会運動の歴史を担当しています。
アジアと日本社会をつなぐ「社会運動」から歴史を学ぶ目的は、一つの観点ではなく、さまざまな角度から検討することで身につけられる多文化の利点があると考えるからです。
私自身、1990年代初めにアメリカへの移民家族として過ごした経験は、さまざまな人種や民族、宗教と共存する方法の重要な経験と知識となりました。このような経験は、マイノリティと多数派の間で生じる葛藤や誤解を解決する一つの方法にもなります。
そのため授業では、社会のマイノリティと多様なグループに対する差別が起きる原因と法則を学生たちとの対話を通して明らかにし、批判的視点から問題の解決を検討したいと考えています。
【2017年オーストラリア国立大学大学院アジアーパシフィック研究科博士後期課程 満期退学。著書(共著)に『日本社会運動と1968年』(2023以文社)等がある。】